コンタクトのコラム

コンタクトレンズの方は注意!『アカントアメーバ』の恐怖と予防法!

ソフトコンタクトレンズを使っているかたに、アカントアメーバという微生物が引き起こす角膜感染症が増えていることをご存知でしょうか?特にコンタクトレンズを常用している若い女性に多く発症しています。

今回はアカントアメーバの詳しい内容と予防法についてお伝えしていきます。

アカントアメーバとは?


※画像はイメージです

アカントアメーバとは、沼や川、土の中など自然界に生息している微生物で、井戸水や水道水にも含まれています。普通は接触しても特に問題は起きません。しかし、傷がついた角膜に接触するとそこから侵入し、角膜感染症を引き起こします。

それがアカントアメーバ角膜炎で、ここ数年急速に患者が増えている病気です。

アカントアメーバ角膜炎患者の9割以上がソフトコンタクトレンズ使用者で、中でも2週間交換タイプやMPS(マルチパーパスソリューション。洗浄液と保存液が一体となったタイプのケア用品のこと)を使っている方に多く発症しています。

コンタクトレンズは角膜に直接のせるため酸素透過不足になりやすく、また角膜表面上に傷がつきやすいためバイ菌が入り込みやすくなります。

さらにレンズのケアが不十分だと細菌が発生し、その細菌をエサにするアカントアメーバが洗面所などの水回りからレンズに付着してそのまま角膜に接触するため、アカントアメーバ角膜炎を引き起こすのです。

アカントアメーバの症状

アカントアメーバ角膜炎を発症しても初期のうちはほとんど症状がありませんが、そのうち眼の痛みや大量の目やにが出てきます。

進行すると眼の痛みが強まり、充血や角膜の強い混濁、最終的には角膜に穴が開いて失明に至ることもあり、コンタクトレンズの合併症では最も症状が重いといっていいでしょう。

しかも初期のうちはヘルペス性角膜炎とよく似ているため診断が難しく、治療開始が遅れて重症化しやすいため、できるだけ角膜感染症専門医に診てもらうようにしましょう。

アカントアメーバの治療法

アカントアメーバ角膜炎の決定的な治療法はありません。抗真菌薬や消毒薬の点眼や内服、点滴、あるいはアカントアメーバに侵された角膜を削り取る治療などが行われます。いずれにしても薬効が効きづらく、治療も長引く傾向にあります。

また治療しても視力低下が続くことがあるので、何よりもこの病気にならないことが重要です。予防法についてご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

アカントアメーバの予防法

アカントアメーバ角膜炎の予防には、コンタクトレンズの取り扱い・ケアに十分な注意を払うことが鉄則です。そのためには具体的にどうしたらいいのかをご説明したいと思います。

予防法1「レンズを12時間以上装着しない」

もともとコンタクトレンズには決められた装着時間があります。それを無視して長時間装着していれば眼に負担がかかり、トラブルが生じやすくなります。

医師によると、最も発症しやすいのが連続装着12時間以上だといわれています。したがってどんなに長くても1日の装着時間は12時間までにしましょう。

つけっ放しで眠ってしまったりすることのないよう気をつけましょう。

予防法2「レンズの交換期限を守る」

レンズには1日で使い捨てのものや、2週間、1か月で交換するものがあります。この期限は必ず守りましょう。

2週間交換タイプを3週間に伸ばしたり、1日使い捨てを持ったいないからと翌日も使ったりするのは絶対にやめましょう。

予防法3「レンズケースは毎回洗って、しっかり乾かす」

コンタクトレンズに慣れてしまうと、レンズはきちんと洗ってもレンズケースのケアはだんだんいい加減になってきます。

レンズケースは毎回水道水で洗って、そのあとしっかり乾燥させましょう。特に乾燥させるのが大事です。アカントアメーバは乾燥に弱いからです。

水道水にはアカントアメーバがいますから、洗浄でレンズケースにアカントアメーバが付着する可能性があります。しかしその後に乾燥を十分に行えば、付着したアカントアメーバが除去できるのです。

予防法4「3か月ごとにレンズケースの交換と眼の検診を」

レンズケースを毎回しっかり洗っているつもりでも、アカントアメーバは完全に取りきれてはいないと思っていいでしょう。そのため長期間同じケースを使い続けていると、知らない間にアカントアメーバがレンズに付着してしまうことに。

ケースは毎日ケアしていても、3か月で新しいものに換えましょう。また眼の検診も3か月ごとに受けるようにするといいでしょう。

特に慣れた人ほど検診をサボりがちです。知らない間に角膜に傷がついているかもしれないので、医師にしっかり診てもらいましょう。

予防法5「レンズは毎回しっかり洗ってしっかりすすぐ」

1日で使い捨てのコンタクトレンズ以外は、毎回使用後に両面とも20回以上こすり洗いし、しっかりすすぎ流します。また装着時にも、すすいでから装着します。

洗浄もすすぎも消毒も保存もすべて1本でできるPMSは、便利なのですが洗浄力が弱く、アカントアメーバを消毒できません。ですから何回も念入りに使うことで、アカントアメーバをすすぎ流すようにするのです。

もったいないからとMPSをケチっていると、文字通り「痛い目」にあうかもしれませんから。

予防法6「薬液は継ぎ足さず、毎回新しいものに」

MPSは消毒力が弱いので継ぎ足して使うと菌が繁殖してしまいます。毎回必ず捨て、新しいのに交換したうえでレンズを消毒保存してください。

予防法7「何より大事!ケア前の手洗い」

どんなに熱心にレンズをこすり洗いしても、肝心のその指先がばい菌だらけなら、かえってアカントアメーバが付着してしまいます。

コンタクトレンズを扱う前には必ず手を洗うようにしましょう。

まとめ

コンタクトレンズを使い始めの頃は教わった通り丁寧に行っていたケアも、慣れるにつれ徐々に手を抜いていくようになるものです。

しかし、知らないうちに増殖したアカントアメーバが、あなたの眼に重大なダメージを与え、回復できないほどひどいことになってしまったらと思うととても恐ろしくなりますよね。

愛媛大学の調査によると、2009年の1年間で155人ものかたがアカントアメーバ角膜炎と診断されたといいます。

今や国民の1割以上がコンタクトレンズ使用者です。中にはネットで買ったり、おしゃれのためだけにカラーコンタクトを常用しているという方もいると思います。

残念ながらコンタクトレンズ使用者全員が適切なケアを行っているかというと、はなはだ怪しいといわざるを得ません。しかしアカントアメーバを予防するには、コンタクトレンズの取り扱いを適切に行うこと以外にありません。

慣れているかたほど今一度初心に帰り、正しいケアを心がけるようにしましょう。