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ポイントは『ムチン層』にあり【ドライアイの改善・予防】

最終更新日:2018/08/08

「ムチン」という言葉を耳にしたことがありますか?

あまり聞きなれない用語ですが、実はドライアイの改善・予防に欠かせない重要な成分なのです。スマートフォンやタブレットの普及で、ドライアイに悩む人も多いはず。そこで本記事では、ドライアイのメカニズムからドライアイに効果的なムチンの全貌、ムチンを効果的に活用してドライアイを改善する方法など、ドライアイとムチンの関係を徹底解剖します。

本記事があなたのドライアイを改善する手がかりになるかもしれません。本記事を参考にドライアイとムチンの関係を知り、あなたの目の健康維持に役立てましょう。

ドライアイのメカニズム

ムチンについて知る前にまずはドライアイのメカニズムをおさらいしてみましょう。まずドライアイとは涙の分泌量が減ったり、涙の質が低下したりすることで、目の表面を潤す力が低下し、涙で眼球の表面を十分保護することができなくなっている状態を指します。目の疲れやかゆみといった自覚症状を引き起こします。

ではどうして涙の量の減少や質の低下がドライアイの症状を引き起こしてしまうのでしょうか。それには涙の役割が大きく関係しています。

ムチン層

涙は油層、水層、ムチン層と呼ばれる三つの層から形成されています。油層とは一番外側に位置し、その下にある水を主成分といた水層の蒸発を防ぐ役割があります。水層は眼球の粘膜を潤すほか、角膜と結膜に栄養を届けたり、細菌の侵入を防いだりする部分です。その下にあるのがムチン層です。角結膜の表面を覆い、涙液層を親水性にし、水層が表面張力の影響を受けずに隙間なく広がるのを助けています。こうした三層からなる涙は目の表面の細胞と外部の間に入り、目を守るバリアのような働きをしています。この涙がパソコンやエアコンといった様々な要因によって減少することで、目の表面に直接傷がついてしまうのです。

また涙の質の低下とは涙に含まれる脂質成分やたんぱく質成分であるムチンが少なかったり、角結膜の上皮に問題があったりすることで、涙が分泌されているのに涙が目の表面に留まることができなくなった状態を言います。したがってドライアイの改善のためには、三つの層からなる涙を正常な状態に保つ工夫も必要となってくるのですね。

ムチンについて

では、いよいよムチンがどのような成分であるかその概要について見ていきましょう。ムチンとは先ほど触れたとおり、涙の最も内部に位置する層を形成する成分です。ムチンは動物の上皮細胞などから分泌される粘液の主成分とされる粘性物質です。動物が分泌する粘液にはほぼ全てムチンが含まれています。

ムチンには正確には2種類あり、分泌型ムチンと膜型ムチンに分類されます。分泌型ムチンは上皮細胞から分泌され、膜型ムチンは細胞膜に結合した状態で存在します。涙のムチン層は膜型ムチンにあたりますね。分泌型ムチンは水層に分泌されています。

涙に含まれるムチンは涙の安定性を保つ働きを持っています。また組織が傷ついたときにその傷を保護し、その修復を促進する効果も持っています。粘着性であるムチンはドライアイのメカニズムでも触れたとおり、涙の主成分である水分を角膜に均等に定着させる役割を担っています。角膜の細胞には本来、水を弾く性質があります。糖とタンパクからなる膜型ムチンの作用によって、角膜と涙の水分をなじみやすくしているのです。このムチンという構造なしには涙が目の表面にとどまることができずに流れ落ちてしまうのですね。したがってムチンは涙の質を保つ重要な役割を果たしていると言えます。

ムチンは角膜の中のゴブレット細胞から産出されます。このゴブレット細胞が炎症を起こし、ムチンを放出できなくなると、涙を目の表面全体に留めることができず、涙に穴があいた状態になってしまいます。そうなると目の角膜の表面があらわになってしまい、非常に傷つきやすくなってしまうのですね。ムチンの減少によって涙の質や量が正常でなくなると、ものがうまく見えづらくなることがあります。涙がにじむと視界がぼやけて見えづらくなったという現象を誰しも一度は経験したことがあるのではないでしょうか。これは滑らかで薄い膜のようになっている涙のベールの水分過多で波立って、涙が乱れてしまうためです。乱れた涙を通して見た景色ははっきりと見えないのですね。つまり涙が均一に表面を覆うことには視界を良好にする効果もあるのです。ムチンにはドライアイ対策をはじめとして目の健康を保つのに重要な役割を担っているのですね。

ムチンを増やしドライアイを改善する効果的な方法とは

ではムチンを増やし、ドライアイを改善する方法にはどのようなものがあるのでしょうか?

その効果的な方法を見ていく前に、まず日本で広まっているムチンの誤解について知っておきましょう。日本ではムチンのその粘性から、オクラや山芋などの植物のネバネバと同一視される傾向にあります。しかし、ムチンは本来動物の粘液を指すものなので、植物性由来のネバネバはムチンとは全くの別物です。構造も全く異なったものであることから植物由来のネバネバとムチンを一括りにする考え方は間違っているのです。植物由来のネバネバ物質をムチンと呼ぶようになったのは明治や大正、あるいはそれ以前の出来事のようです。外国語表記を日本語に読み換える際に、紛らわしい名称がつけられてしまってことが誤解の原因かもしれません。

したがって、ネバネバの植物を摂取することによって、目の表面にあるムチンを増やすことはできません。つまりオクラや納豆、山芋といったネバネバの植物はドライアイ対策には役立たないのです。しかし、植物性のネバネバは食物繊維であることが知られていて、体に良いことは確かです。ドライアイの改善の効果がないからといって積極的に摂取するのをやめる必要はありませんよ。

ムチンについての誤解を解いたところで、次にムチンを増やす効果的な方法について見ていきましょう。ムチンを増やす方法として一般的なのは、ムチンの分泌を促進する成分を含んだ目薬による対策です。近年ムチンの減少がドライアイに与える影響の需要性が注目され、ムチンを増やす薬の開発、発売が進んでいます。

中でも、参天製薬のジクアスと大塚製薬のムコスタという目薬が有名です。この二つの目薬はムチンを増やすという点では共通するものの、かなり性質の異なった薬であることに注意しましょう。まずジクアスはゴブレット細胞の受容体に働きかけ、ムチンの分泌を増やします。副作用が少なく、普通の目薬のように常用できるのが利点です。ただ効果が出るのに少し時間がかかるので、ジクアスは長期的に使用するのがオススメです。一方のムコスタはゴブレット細胞自体を増やして、ムチンの増加を目指す目薬です。抗炎症作用もあり、目の痛みなど自覚症状を軽減する働きが強いとされています。一回の使い切りであること、目薬をさした後に数分視界が霞むこと、苦味を感じることなどからやや癖のある目薬であると言えます。このようなドライアイの原因に直接働きかける目薬の登場は、従来の目薬による一時的な対策よりもずっと効果的だと言えますね。

まとめ

ここまでドライアイのメカニズムから、ドライアイに大きく関わるムチンの効能、ムチンを増やすための効果的な方法について見てきました。ドライアイには涙の構造が大きく関係していること、またムチンが目の健康に果たす役割、ムチンを増やす目薬についてよく知ることができたと思います。

ドライアイは多くの現代人を悩ます病気の一つです。ドライアイとムチンの関係をよく理解し、ドライアイのより効果的な改善に役立てましょう。本記事がドライアイに悩むあなたの目の健康を守り、日々の生活をより豊かなものにすることができたら幸いです。

ライタープロフィール

hatakeです。難しいことを丁寧に説明することを心がけます。
   

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