目の錯覚

脳が騙される?目の錯覚が起きるメカニズム

カメラのように精巧な作りになっている人間の目。しかし時に目は錯覚を引き起こして、思いがけないものを「見る」ことがあります。これは脳の働きが関係しているのですが、なぜこのような錯覚は起こるのでしょうか?

今回は、脳の働きによって引き起こされる様々な錯覚を、注目の動画と共にまとめました。ぜひ動画を見て不思議な錯覚を体感しながら、脳が騙されるメカニズムを理解していきましょう!

不思議な目の錯覚10連発

まずはじめに、現在Youtubeで見ることのできる目の錯覚の動画をご紹介します。シンプルながらもどれも衝撃を与えること間違いなしです。

中心を見ていると両側の人の顔が…

動画を再生したら、中心の「+」に目を合わせましょう。両側の女性の顔が切り替わって行きますが、次第にそれが女性の顔ではなくモンスターのように見えてくる、というなんとも怖い動画です。

これは目の錯覚が引き起こす現象で、このように女性の顔が次第にモンスターのようにいびつに見えるという錯覚は新発見なのだとか。怖さに怯えながらも、もう一度再生して試したくなる、ちょっと中毒性のある動画ですね。

この脚は誰の脚?

8人の女性が、アップテンポの曲に合わせてコミカルなダンスを披露している動画。観客もとても盛り上がっています。

しかし、黒と白のモノトーンで統一された衣装で踊る彼女たちをよーく見ていると、次第にどれが誰の脚なのかわからなくなってきます。彼女たちの衣装は半分黒、半分白のモノトーンなのですが、同一色を隣のメンバーと合わせることで、次第に目が錯覚を起こし、上半身と下半身が一致しなくなっていくのです。

とてもユニークで面白いですね!

この坂は上り?下り?


引用:http://www.psy.ritsumei.ac.jp/~akitaoka/saka.html

これは香川県高松市の屋島ドライブウェイの写真です。この道路の手前は下り坂で奥は上り坂のように見えます。なんと、実はどちらの坂も上り坂なのです。

こんなにページいっぱいに表示されている画像をじっくり見ても、手前が下り坂にはどうしても見えません。実は屋島ドライブウェイの坂は「おばけ坂」と呼ばれているのだそうです。

ソリが上向きに滑る?新潟にある不思議なすべり台

2017年3月、新潟県魚沼市にある八海山麓スキー場に5日間限定でユニークな「錯覚すべり台」が登場しました。

このすべり台は雪を固めて作られたもので、高さが1メートル20センチほど。中央部分が盛り上がっていて、三つの方向からソリを使ってすべることができるのですが…なんと、角度によっては滑り降りているはずのソリが滑り上がっているように見えるのです!

すべり台作成の指導を行った明治大学の杉原厚吉特任教授は、「最初は普通のすべり台の絵を考えて、逆向きに斜面を動いているのを計算で作るわけです」と、錯覚すべり台の仕組みを解説。綿密な計算によって作られた「錯覚すべり台」。子どもも大人も楽しめそうですね。

板チョコが永遠に食べられる?無限に増えるチョコレート

チョコレートが大好き!毎日でも食べたい、という方は多いのではないでしょうか?そんな方に夢を与えるのがこの視覚トリック。

まず、板チョコを一枚用意して、右を上にして真ん中から斜めに切断します。その後、以下の手順で行ってみましょう。

  1. 切断した板チョコの上部分を右2列、左3列に分けて切断します。
  2. さらに左3列の上1列をカットして2列と1個に分けます。
  3. ①で切断した板チョコを逆に並べ替え、②をの2列部分を重ねます。
  4. ②③の手順を行っていくと、なんと1個が余ってしまい、「チョコがひとかけら増えた!」と感じる嬉しい状態に!

しかし、もちろんこれは残念ながら目の錯覚が引き起こす現象。本来は板チョコが一粒増えるどころか、タテ部分は切断前より若干短くなっているので明らかに消費された状態です。実際にチョコレートが増えていないのは残念ですが、視覚と食欲を刺激する面白いトリックですね。

すべての女性をグラマーにしちゃうTシャツ

夏は薄着になる季節。スレンダーな女性も素敵ですが、少しだけ胸にボリュームがあるとファッションがきれいに決まる時があります。多くの女性の願い(?)をかなえるのが、エコード・ワークスというブランドが「妄想マッピング」シリーズとして販売したTシャツです。

着るだけでだれでも巨乳に見えてしまうこのTシャツ、シンプルなデザインなのにインパクトが大!正面から見るとそのボリューム感は目をひきます。立っても座っても、横たわっても、正面からは常に巨乳状態を保ちます。

…が、横から見ると、胸はもとのサイズのままです。実は、Tシャツの胸の部分にあしらっているグレーの格子柄を微妙に大きさを変化させ、さらに陰影をつけることで目の錯覚が起き、胸を大きく見せることができる仕組みになっています。

一見シンプルなデザインですが、実際にはどのTシャツよりもインパクトが大!ちょっとしたジョークにも使えるデザインですね。

「見えないゴリラ」のなぞとは?

これは、バスケットボールのパスの練習をしている動画を使ったとても有名な心理学の実験です。

まず、3対3で分かれたチームにそれぞれ白と黒のユニフォームを着用してもらい、お互いにパスの練習をしてもらいます。そして、被験者には白いチームのメンバーがどれくらいパスを回したのかをカウントさせます。この時、黒いチームのメンバーは無視することも同時に指示します。

さて、ここから先の文章は動画をご覧になってから読んで下さい。白いチームのメンバーが回したパスの回数は全部で15回。白いチームだけに集中し、注意深くご覧になった方はすぐ答えられたはずです。

しかし、実はこの動画の重要なところはパスを数えることではなく、パスの最中に表れた「ゴリラのぬいぐるみ」が見えたかどうかなのです。動画を見ていると、パスをしている白黒チームの間にゴリラの気ぐるみが右手から登場し、画面中央で胸をたたいてそのまま画面を横切って左手へと去って行きます。

なんと、被験者の半数がこのゴリラに気づいていませんでした。これは目の錯覚ではなく、脳が視覚を通して指示されたことに集中しているため、ゴリラの存在に気がつかなかったということです。普段注意深く見ているはずでも、人間の目は心理的なもので見えたものを見落としてしまう、ということが明らかになる衝撃的なテストです。

踊る女性の回転は右?左?

Xx666xXさん(@psyba_interceptor)がシェアした投稿

女性のシルエットがくるくると美しいスピンを描くアニメーション。

これは「スピニングダンサー」と呼ばれるアニメーションですが、今ご覧になっている方はこの女性が右・左どちらに回転しているように見えるでしょうか?

実は、これは見る人によって回転方向が変わるアニメーション。よく見ると女性のシルエットの背景に奥行きがないため、目が錯覚を起こして回転の方向が見る方によって異なるのです。

視点をちょっとずらすことで、それまで見ていた回転を逆にすることも可能です。見ていると混乱してくるアニメーションですね。

オイルを塗って脚がつやつや!…かな?

ツイッターでも大きな話題を集めたこの写真。一瞬女性の両脚にオイルが塗られ、まるでつやつやとした光沢を放っているように見えます。

しかし、両脚をよーく見てみると、実は脚にはオイルが塗られているのではなく、白いペイントがちょこちょこ施されているだけの写真です。ぱっと見はやっぱりオイルでつやつやしているように見えます。

よく見ると白のペイントは少しだけしか塗られていないのですが、たったこれだけでも脚全体がつややかに見えるのは驚きですよね!

人が増える不思議な絵

最後は人が増えるというなんとも不思議な絵。12人の少年が13人になる、という別の絵もありますが、仕組みは同じです。

まず、12人いる人間の中で、左側の人間だけを水平に切り取り、ずらして重ねると最終的には13人に見える、という驚きの絵です。よく見ると、全体的に人影の身体が元の絵より全体的に小さくなっているのがわかります。

先ほどご紹介した板チョコレートの仕組みに似ていますね。

錯覚とは?

よく「目の錯覚」と言われる事がありますが、それでは実際に「錯覚」とはどういうことなのでしょう?

錯覚とは、器官に異常がないのに実際の対象とは誤った認識をされる事です。「目の錯覚」とはまさしく目には異常がないのに、正確な対象物とは違って認識してしまう状態をさします。これらは脳のメカニズムの誤認識により引き起こされるものですが、どのように引き起こされるかを具体的に見てみましょう。

また、錯覚は「錯視」・「幻覚」・「錯角」など目が誤って認識する現象はいくつかありますが、これらの違いは一体何なのでしょうか?ここでは、錯覚とこれらの違い、また錯覚が起こるメカニズムについてまとめました。

錯覚と錯視との違い

「錯視」と「錯覚」はどう違うのでしょうか?「錯視」とはずばり「目の錯覚」のことで、「錯覚」は目だけでなく、その他の感覚器官が誤った認識をした時にも用いられる言葉です。「錯視」とひとくちに言っても、幾何学的な錯視や色彩による錯視など種類は様々です。

幾何学的な錯視と言えば、直線に内向きと外向きの矢羽をつけたミュラー・リヤー錯視が有名です。同じ長さの直線に、矢羽を内向き・外向きにつけるだけで線の長さが異なる錯視は誰もが見たことあるのではないでしょうか?

また、色彩の錯視は格子の重なった部分に色をつけると、その部分に円が浮かび上がるように見えたり、白と黒のモノトーンだけで構成されているこまを回すと、白黒だけでなくもうひとつの色が浮かび上がっているように見える「ベンハムのこま」などがあります。

錯覚と幻覚との違い

「幻覚」とは、実際には存在しないものが存在するように見えることです。このように記載すると「錯覚」と同じものに感じますが、幻覚の場合は精神疾患や麻薬、アルコールなどが原因となって引き起こされることが多いです。
また、錯覚は感覚の刺激を遮断している状態でも起こりやすい現象です。

ちなみに、幻覚は人間の感覚器官全般に起こるもので、視覚が影響される場合は「幻視」、聴覚の場合は「幻聴」、嗅覚の場合は「幻嗅」と呼ばれます。「幻視」は意識がもうろうとしている、いわゆる意識障害を起こした時に表れることが多いと言われています。

錯覚と違い、幻覚は脳との関連性がとても強い状態です。

錯覚と錯角との違い

「錯角」は、視覚の影響ではなく一つの直線と二つの直線とが交わった時、斜め向かいにある角のことを言います。つまり、視覚になんらかの影響があって見えないものが見えている状態とは異なります。

なぜ錯覚が起きるのか

ここまで錯覚、この記事では視覚に特化した錯視についてまとめましたが、なぜ錯視は起きてしまうのでしょうか?

先ほど述べたように、錯覚は感覚器官が実際の状況とは違う認識をした時に起こります。感覚器官の大元は脳なので、錯覚は脳の認識によって引き起こされるとも言えるでしょう。脳が視覚から取りこんだ刺激を、なんらかの理由があって実際とは違うように認識したりするのが錯覚です。

そして、実は「なぜ錯覚が起きるのか」、という全体的な理由については残念ながらまだまだ解明されていないところもあります。一説によると、脳が状況に適応するためにそれにふさわしい認識として錯覚を起こしたりするとも言われています。

「錯覚」というと少しマイナス的なイメージでとらえられることも多いと思いますが、いわゆる「だまし絵」などはちょっとしたエンターテイメントとしても楽しめます。まだまだ研究段階の「錯視」ですが、将来的には渋滞の緩和などプラスの方向につなげられるのではないか、と期待も寄せられています。

まとめ

今回は目の錯覚や心理状態によって実際とは見方が異なる事象についてまとめました。

Youtubeで紹介されている動画や、何気ない風景に隠されている錯覚など、私たちの目や脳は意外と認識を誤っていまうということが分かりますね。とは言っても、目の錯覚を利用した動画や写真は私たちを不思議な世界に誘う魅力があることも事実です。

家族や友人にも動画や写真を見せると、きっと盛り上がるでしょう。ぜひ、不思議な錯覚の世界を楽しんで下さいね。