目のコラム

肉眼では見えない世界「電子顕微鏡」で見るミクロの世界【閲覧注意】

人間の目はカメラのように精巧な構造を持っています。そのため、幅広い範囲の物を正確にとらえたり、色彩を認識することができるのです。しかし、電子顕微鏡は人間の目、つまり肉眼では見られないミクロの世界を捉えます。普段私たちが何気なく見ているものでも、電子顕微鏡を通すと肉眼とは違う別世界が見えます。

今回は電子顕微鏡を通してみた人体や植物、昆虫の画像をまとめました。私たちが見えているものと違う、もうひとつの視点をぜひ堪能して下さい!

電子顕微鏡とは?

電子顕微鏡とは、電子線をあてて小さな物体を拡大する顕微鏡のことです。その精度はとても高く、確認できるものは0.1ナノメートルにも及び、原子レベルのものまで認識できると言われています。

このような精巧さから、電子顕微鏡は科学や生物学だけでなく、医学・物理学・工学など幅広い分野で使われています。

光学顕微鏡との違い

「顕微鏡」と言うと、学生時代に使用した光学顕微鏡を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?しかし、光学顕微鏡と電子顕微鏡は同じ「顕微鏡」と呼ばれているものの、まったく異なる器具です。それでは、光学顕微鏡と電子顕微鏡とは何が異なるのでしょうか?

まず、光学顕微鏡が「光」をあてて対象物を拡大して観察するのに対し、電子顕微鏡は「電子」をあてて対象物を分解して観察します。光を使う光学顕微鏡は、可視光線(人間の肉眼で見える波長)を使うために観察の制限が100ナノメートルですが、電子顕微鏡は電子を使うために可視光線の制限がありません。

そのため、先に述べたように原子レベルで対象を分解し、観察することができるのです。

電子顕微鏡で観察した画像を見てみよう

ここでは電子顕微鏡を通して観察したものの画像を紹介します。人間の体や植物、昆虫など、肉眼で見える面影を残していたり、まったく別物の印象を与えたりと、ミクロの世界は私たちに新たな姿を見せてくれます。今回ご紹介する10枚の画像で、ぜひ迫力のあるミクロの世界を堪能して下さい。

人間の髪の毛

電子顕微鏡で見た人間の髪の毛の写真は、誰でも一度は見たことがあるのではないでしょうか?表面に何重にも折り重なっているのは、「キューティクル」と呼ばれる毛髪の表面を外部の刺激から守るための覆いの部分です。傷んだ髪の毛はこのキューティクルがけば立ったような状態で見えます。

近位尿細管の微絨毛

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近位尿細管(きんいにょうさいかん)とは腎臓の部分のことで、内部の表面には「微絨毛(びじゅうもう)」と呼ばれる細かい突起物が密集しています。微絨毛は小腸にもあり、光学顕微鏡でも確認できますが、電子顕微鏡で見ることによって、さらに細かく、かつまるで人間の体内とは思えないような幻想的な画像になっています。

竹炭

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「竹炭」とは、読んで字のごとく竹を炭化させたものです。しかし、燃料として使用される木炭とは異なり、除湿や脱臭、水質浄化などに使われる事が多いです。竹を炭化させているので、一見表面が滑らかに見える竹炭ですが、電子顕微鏡で見た竹炭は表面に細かい穴が開いていることがわかりますね。

クロッカスの花粉

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「クロッカス」は地中海やヨーロッパ南部が原産地と言われる球根植物。日本でも一般家庭などで育てられている知名度の高く、白や黄色・うす紫など様々な色の花を咲かせます。この画像は、クロッカスの花粉を拡大したものですが、花粉と言うよりもどちらかというとゴマ団子のようにも見えますね。

クレマチスの蔓の断面

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星型の物体の中に、複数のハートがちりばめられているような不思議な写真。じつはこれはクレマチスの蔓の断面を電子顕微鏡でみたもの。

「クレマチス」とは、つる植物の一種で、クロッカス同様日本でもおなじみの植物です。樹木に絡みついて生長するのがつる植物の特徴ですが、細い蔓も電子顕微鏡を通すとこのような複雑な構造が確認できます。

沸騰している鍋の底

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日常の当たり前の光景が、まったく別の世界に見えてしまうのも電子顕微鏡の世界ならでは。これはお湯を沸騰させた鍋の底を分解したものです。一見何かのウイルスや虫などを思い浮かべてしまう独特な画像です。

この画像はすぐに正体を当てる人はなかなかいないのではないでしょうか?電子顕微鏡の見せるミクロ世界の奥深さを感じます。

オモゴミズギワカメムシ

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一瞬ハエの顔のようにも見えますが、これはミズギワカメムシの一種の「オモゴミズギワカメムシ」。体長4~5ミリの小さな昆虫ですが、ミズギワカメムシの中では比較的大きく素早い動きをするそうです。

キクイムシの触角

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「キクイムシ」は漢字で「木食い虫」とも表記しますが、名前の通り樹木を食べる昆虫です。時に木材なども食い荒らすので害虫としても知られています。

この写真は、キクイムシの触角を電子顕微鏡で見たものですが、表面に細かく生えている毛はセンサーの役割を果たしています。

ムクゲキノコムシ

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「ムクゲキノコムシ」はムクゲキノコムシ科に属する小さな昆虫で、まるで鳥の羽根のような珍しい羽根をもっているのが特徴です。この写真は電子顕微鏡で羽根を広げた瞬間のムクゲキノコムシを捉えています。

とても小さくいので肉眼ではみえづらいのですが、電子顕微鏡だと細かいところも分かって圧巻ですね。

花粉

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最後にご紹介するのは花粉です。残念ながら何の植物かは不明ですが、表面の模様や形を見ると、花粉だとは全く感じられませんね。

電子顕微鏡の仕組み

電子顕微鏡は電子を対象物にあてることで細かく観察することができる、と先に述べましたが、具体的にはどのような仕組みになっているのでしょうか?

電子顕微鏡で対象物に電子を当てると、電子が反射したり、飛び出しや通り抜けを起こします。このような電子の動きを検知して画像にするのが電子顕微鏡です。電子を補足することで対象物の内部を細かく見ることができたり、原子の配置まで鮮明に観察することができます。

電子顕微鏡の起源

ミクロの世界を細部まで魅せる電子顕微鏡ですが、実はその起源は意外に古く、19世紀末まで遡ると言われています。

電子やX線はこの時期すでに発明されていたため、電子顕微鏡のアイデアは1920年代にはすでにまとめられていました。

世界初の電子顕微鏡は、1930年初頭にドイツのエルンスト・ルスカが開発した透過型電子顕微鏡です。その後、1930年末~1940年代に走査型電子顕微鏡の開発が進められ、商品としての電子顕微鏡が表れたのは1965年のことでした。
電子顕微鏡が開発され普及したことで、光学顕微鏡では見られない原子の研究が発展していきました。

まとめ

今回は電子顕微鏡を通して見えるミクロの世界と、電子顕微鏡の仕組みや起源をご紹介しました。肉眼では見えない不思議な世界を、少しでもお楽しみいただけたら幸いです。