目のコラム

水道水で目を洗うのは危険?正しい目の洗い方を解説します

毎日の入浴やシャワー、洗顔などで体の汚れを落とし、清潔にすることは健やかさを維持するために必要なことです。だからこそ、私たちは体中に水をばしゃばしゃとかけながら全身を洗い、そこに何の疑問も抱かないことが多いのですが、体の中には一部、水洗いが好ましくない部分があるのをご存知でしょうか?

その体の部分とは……「目」!実は目に水道水をかけて洗うことは適切な洗浄方法ではないのです。ですので、最近では水泳の授業の後に、生徒たちが水道水で目を洗うシーンを見かけることはほとんどありません。目を水道水で洗うとメリットよりデメリットの方が多いと専門家の調査・研究により判明したので洗わないように指導されているからです。

そこで、今回はなぜ目を水道水で洗わない方がよいのかについて解説します。シャワーのときに「ついでだから目も」と目を見開いて直接水を当てて洗っていた方はここで一度立ち止まってみましょう。

水道水で目を洗ってはいけない

目にゴミが入ったときなどはササっと水道水で流してしまいたくもなりますが、眼科医を中心とする専門家の多くは目を水道水で洗うことをすすめていません。それには大きく二つの理由があるからです。

理由1.水道水に含まれる成分に問題あり

水道水は殺菌のために塩素を入れて消毒してあります。こうすることで水道水はより安全になるわけですが、目にとっては刺激が強いので目の洗浄には適していません。

目に入れてもいいものは刺激のないものであることが原則なのです。

2.涙のバリアが減ってしまう

また、涙には涙の蒸発を防ぐ油分や、涙を目にとどめる働きをするムチンとよばれる物質が含まれており、これらが目の上に浮かぶことで外部の様々な刺激から目を守るバリアの役割を果たしていますが、これらを水道水で洗ってしまうと、バリアを減少させてしまうのです。実際、2008年の慶應義塾大学病院眼科の研究チームの調査では、水道水で目を洗ってしまうと目の粘液成分が減ってしまう、との報告がされています。

さらにはバリアが減ってしまうと結膜炎やものもらい、ドライアイなどの眼病を引き起こす可能性も。良かれと思って水道水で目を洗っていても、現実は逆に目の健康を害しているのです。

基本的には涙に任せよう

目にゴミやほこりが入りやすい、もしくは花粉症によるかゆみで困っている方などからすれば、水道の水で洗い流せないのはつらいもの。目を洗いたい。だけど水はだめ。どうすればいいの?――。このようなため息まじりの声も聞こえてきそうですが、水ではなくても私たちの体がもともと持っている体液、「涙」があるじゃありませんか!

基本的には、涙でゴミやほこりを流すことが一番目にやさしい洗浄方法なのです。人間の目は異物が入ると自然に涙が出るようになっていますが、これは涙で洗い流そうとしているからです。よほど特別な事情がない限り、自然と出る涙に任せることが理想的です。

涙の確保のためにはドライアイ対策を

そのためにはまず、涙がきちんと出るように普段からの心がけが大切です。涙が不足するドライアイにならないよう、まばたきの回数を多くする、きちんと目を休ませる、コンタクトレンズの装用時間を守る、乾燥した環境を作らないようにするなど、生活習慣に気を付けてみてください。

ドライアイは目の洗浄作用を弱めてしまうだけではなく、目に傷をつけてしまうこともあるのでぜひ、日頃から注意して予防したいものです。

ドライアイ対策について詳しく知りたい方はこちら

どうしても洗いたいなら人工涙液、人工涙液もなければ水道水を

上で説明した通り、できる限り涙の力に任せるのがベストですが、どうしても目を洗いたい場合は市販の人工涙液を使用してみてください。人工涙液を多めに点眼し、まばたきをして自然に異物などを洗い流します。

水道水での洗浄は人工涙液を持っていない、間に合わない場合などの緊急時のみにしてください。

どちらにしても、洗い過ぎは厳禁です。最近は美容面から肌や髪の毛の洗い過ぎに注意して、潤いを逃さないようにするトレンドが見られますが、これは目にも共通していえること。たとえ人工涙液であっても、必要以上の洗い過ぎは控えるようにしましょう。

その医学の常識、最新情報ですか?

「目を水道水で洗わない方がよい」という事実は、プールで泳いだ後に蛇口から勢いよく出た流水で洗っていた世代には驚きだったかもしれませんね。治療法や対処方法は常に様々な調査・研究によって新しい情報にアップデートされますので、その類の報道があった場合は注意深く確認したいものです。

擦り傷には消毒液をつけた後ガーゼを当てて保護する、風邪をひいたらお風呂に入ってはいけない、食べたらすぐ歯を磨いてしっかりうがいをする、水は飲めば飲むほど体によい……などは典型的な「一昔前」の医学の常識。
「え!そうだったの?」とショックを受けている方は病院・クリニック、製薬会社のウェブサイトなどで新しい知識を確認してみてはいかがでしょうか。

参考にさせていただいたページ

目・鼻・耳は正しく洗浄|NIKKEI STYLE
目を洗わないで
目の間違ったケア – 疲れ目とドライアイ | アイアカデミー
涙のはたらき|参天製薬ソフトサンティア
【風邪】引いたらこう治せ!介護ポストセブン
意外と知らない!「正しい歯磨き」の新常識 | 週刊女性PRIME