目のコラム

色覚異常とは?意外と身近な色覚異常について

意外と身近に存在する色覚異常についてご存知でしょうか?

日本では男性の20人に1人、女性では500人に1人の割合で発症しているとされています。また女性の場合、色覚異常の保因者の数が多く、その割合は10人に1人とされています。この割合を男女40名のクラスで置き換えると、一クラスにつき、色覚異常を発症している男性は1人、色覚異常を保因する女性が2人はいることになるのです。

こうしてみると色覚異常はそれほど珍しいものではないことがわかりますよね。

それにも関わらず色覚異常は、あまりその実情が知られていないようです。今回は色の見え方が人と異なる『色覚異常』について詳しく解説していきます。

色覚異常とは

色覚異常とはモノを見るために必要となる視力・視野・色覚の三つの機能のうち、色覚に異常が見られる症状を指します。色覚異常の視界は、正常の視界状態である多くの人とは異なった色を見え方している状態で、色の見え方によっては生活に支障をきたす場合があります。

色覚異常には先天色覚異常と後天色覚異常の二種類があります。遺伝的な色覚異常は先天色覚異常とされ、目の病気の一つとして発症した場合は後天色覚異常に分類されます。

日本人の先天色覚異常の発症率は男性で約5%、女性で約0.2%となっており、まれなことではありません。

また色覚異常による見え方は1型、2型、3型の三種類に分類されます。1型色覚は赤色に、2型色覚は緑色に、3型色覚は青色にそれぞれ敏感な視細胞の機能に異常がみられます。視細胞が十分に機能しないため、色を正確に判断することが難しくなるのです。

色覚異常の症状

色覚異常の場合、すべての色が正常の人と異なっているわけではありません。人によって判別しにくい色があり、チラリと映っただけではなかなか判別しにくい場合があるのです。

特に生活に支障をきたす恐れがある場面としては

  • 信号が見えづらい
  • 野菜の鮮度が判別しづらい
  • 肉の焼き加減が分かりづらい
  • 色分けされている文字が読み取りづらい

などが考えられます。

判別しづらい色の組み合わせは以下の通りです。

  • 茶色 / 緑色
  • 緑色 / 灰色・黒
  • 赤 / 黒
  • 橙色 / 黄緑
  • ピンク / 白・灰色
  • 赤 / 緑
  • 青 / 紫

これらの色の識別は、色覚異常の種類や症状の強度によっても個人差があります。

考えられる病気と治療法

色覚異常は先天性の場合、有効な治療法が確立されていません。

後天性の色覚異常の場合、他の目の病気の症状の一つとして現れます。

考えられる病気として

  • 緑内障
  • 白内障
  • 網膜病変
  • 視神経病変
  • 大脳性病変

があります。

色は赤、青、緑色から成り立っていますが、色覚異常が発症した場合、最初に障害として表出されやすいのがS-錐体です。S-錐体の障害が発生した後、症状が悪化することによってL-錐体やM-錐体にも異常が現れるようになってきます。

S-錐体は三つの錐体の中でも最も障害になりやすく、また回復力も遅いです。病気を発症することで、S-錐体にも異常がみられるケースがあります。

  • 網膜剥離
  • 糖尿病性網膜症
  • 網膜色素変性症

といった目の疾患にかかることで、色覚を司る錐体にも影響を及ぼす可能性があるのです。

まとめ

色覚異常は視力には問題ありません。すべての色が見えない色盲でもないため、自分と他の人の色の見え方が異なっていることに気づくのがむずかしいと言われています。

冒頭でも述べたように色覚異常は決して珍しいことではありません。哲学では自分が見ている赤色は他の人でも同じ赤色なのか、が議論されているようですが、誰にでも識別しやすい社会を作るためには私たちもこのことを普段から意識する必要があるのかもしれませんね。

近頃はアプリでも色のシミュレーションを試せるものが配信されています。自分が見えている景色がすべての人も同じとは限らないことを常に心に留めておきたいものですね。