目のコラム

光を見ると失神?光過敏性発作とは【ポケモンショック】

あなたは光過敏性発作という症状を知っていますか?

あまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、この症状は後述する「ポケモンショック事件」として人々に知られるようになりました。テレビに映る光刺激によって発作を引き起こすこともあるこの症状。一体どのようにすれば光過敏性発作を防げるのでしょうか?

光性てんかん、光過敏性発作とは?

光過敏性発作とは、視界に入った光の刺激に対してけいれんやひきつけ、失神といった異常症状を引き起こす症状を指します。光過敏性発作はテレビの光刺激によって誘発されることが多く、日本では『ポケモンショック事件』で一躍有名となりました。

テレビの光刺激によって発症する光過敏性発作にはいくつか種類があり、電気や太陽光といった光に反応する場合や、水面に映る光、燃えている炎に対して反応するケースがあります。

光過敏性発作の症状としては、

  • 頭痛
  • 目の痛み
  • 痙攣
  • ひきつけ
  • 吐き気
  • 意識障害

などが挙げられます。

光過敏性発作の多くは子どもが発症しますが、子どもだけが発症するだけなく大人でも引き起こす可能性があります。

ポケモンショック事件について

日本で光過敏性発作が話題となったのは前項でもお伝えした『ポケモンショック事件』からです。この事件は平成9年12月16日午後6時30分より放送されたアニメ番組『ポケットモンスター』を視聴していた児童を中心に多くの発作症状を訴えた事件です。

アニメ内ではピカチュウの技である10万ボルトをはじめとした多くのフラッシュが使用されており、番組終了後に一部の児童が体調不良を訴えました。なかには病院に搬送された視聴者もいて、最終的な患者数は750人に及んでいます。この事件はメディアでも大きく取り上げられ、「ポケモンショック事件」の他に「ポリゴンショック」(番組に出ていたポケモンの名前から)や「ポケモンフラッシュ」とも呼ばれました。

これによりアニメ「ポケットモンスター」は4ヶ月もの間放送休になっています。

光過敏性発作の原因

ポケモンショック事件はどうして発生したのでしょうか?

アニメではピカチュウが強い光を発する技を多発しています。そのような強い光が数秒間持続して発生すると、網膜の周辺と中心部の異なる部位を刺激されます。

しかしこのような強い光を見ても、発作が発症する人としない人がいます。光の反応のことを『光感受性反応』と呼び、目から入る刺激に過敏な体質を指します。光刺激に耐性がある人は、強い光を見ても特に異変がでることはありませんが、光感受性反応を持つ人がピカチュウの発する10万ボルトの光刺激に反応を示したのです。

これによって光過敏性発作が生じ、多くの人が体調不良を訴えることになりました。

さらにもう一つの要因としてステレオ映像による疲労が考えられます。

ポケモンショック事件が起きたのは1997年。その当時はデジタル映像に移行する前でご家庭のテレビの多くがステレオ映像でした。ステレオ画像は元々二次元である画像を目の作用を用いることで三次元的な映像を実現しています。

人はものを見るとき、輻輳角の調節とピントの調節をします。この二つは同時に調節するのですが、ステレオ映像の場合、それぞれ異なる場所を見るため調節にバラつきが出ます。このバラつきが目にとって不自然な状態であり、目に過度なストレスが生じてしまうのです。

こうした光に耐性がない人が強い光刺激を見続けたことや、アニメ放送時のステレオ映像による目の疲労によることが、光過敏性発作を引き起こしました。

光過敏性発作を予防するには

「ポケモンショック事件」以降、テレビ局では映像のガイドラインが制定されています。

光過敏性発作の権威であるバーディング教授の研究結果では、映像に関して以下のようなチェック項目が掲げられています。

  • 赤いフラッシュが1秒間に3発以上点滅する
  • 画面の大部分に縦縞模様な、渦巻き模様のようなパターン化されている画像が占めている
  • 赤、青の光の点滅がある
  • 上記三項目が低レベルではあるが、長時間持続されている

またポケモンショック事件が起きたテレビ東京では、独自のガイドラインとして急激なカットチェンジや急速に変化する映像も1秒に3回を超える使用を控え、明度に差がある縦縞やうずまきなど規則パターンを持った画像の使用を避けるようにしているそう。

まとめ

この事件以来、アニメには毎回“部屋を明るくして離れて見てください”というテロップが表示されるようになりました。アニメだけでなく、短時間でたくさんのフラッシュがたかれる記者会見の際も注意書きのテロップが表示されています。

光感受性反応をもっている人でも、部屋をしっかりと明るくしてテレビから離れることで、光過敏性発作の発症を防ぐことができます。子どもの場合、ついつい前のめりに夢中になってしまうことがあるので、注意が必要です。