目の病気

病名の由来が童話?不思議の国のアリス症候群について

不思議のアリスという童話をご存知ですか?不思議の国での冒険を描いたその物語は今や誰もが知る人気作品ですが、実はその名前を冠した病気が存在することはあまり知られていませんよね。

そこで本記事では、不思議の国のアリス症候群について症状や罹りやすい人の特徴、不思議のアリス症候群だとしてよく知られている有名人をご紹介します。不思議の国のアリス症候群は可愛らしいイメージのある童話が名前になっているだけあって軽く見られがちな症状ですが、重大な精神病を引き起こすこともあり、意外に注意が必要な病気なのです。本記事を読めば不思議の国のアリス症候群の全貌が分かります。あなたの身の回りにも症状が当てはまる人がいるかもしれません。小さいお子さんを持つあなたは特に参考にして見てください。

不思議の国のアリス症候群とは?

では、実際に不思議のアリス症候群とはどういう病気なのでしょうか?

不思議の国のアリス症候群とは知覚された外界のものの大きさや自分の体の大きさが実際とは異なって感じられるなど主観的イメージの変化を引き起こす病気です。その症状は人によって様々なものが見られるので、関連する症状がまとめて症候群と名付けられています。病名は、その名の通り、ルイス・キャロルの代表作「不思議の作品のアリス」という童話に由来しています。

「不思議の国のアリス」では、幼い少女アリスが白ウサギを追いかけるうちに不思議の国に迷い込み、しゃべる動物や食器、動くトランプなど愉快なキャラクターたちに囲まれながら不思議の国を冒険していきます。不思議の国のアリス症候群は、物語の中で薬を飲んだアリスが大きくなったり小さくなったりするエピソードに症状がよく似ていることから、そのタイトルにちなんだ名前が付けられました。1955年にイギリスの精神科医ジョン・トッドによって名称が与えられてから、広く認知されるようになりました。

不思議の国のアリス症候群によって引き起こされる現実ばなれした空間感覚は日常に支障をきたすだけでなく、脳腫瘍など重い病気が潜んでいる可能性もあるので、注意が必要です。次の章でご紹介するような症状が見られる場合はすぐに精神科や神経内科、脳神経外科への受診を検討しましょう。

不思議の国のアリス症候群の症状

#ballpenart #artwork #aliceinwonderlandsyndrome #alicesyndrome #aiws #drawing #不思議の国のアリス症候群 アリス症候群の私がよく見る夢(寝て見る夢の事もあれば白昼夢?のこともある)をスケッチ。 これはアリス症候群の人から共感得られるのでは?? 建物の中いっぱいに広がった球体を手で触りながらぐるぐる回ってたらいつの間にか手のひらサイズのボールになってて…という夢。 このような感覚が起きてる時に起きる(対象はボールに限らない)訳です。 よく言われる「針とタイヤ」の感覚と同じですね。 いつ発作来ても違和感あって、すごくザラザラする。 あとこれは疑問なんですが、、夕方に階段や坂道に差し掛かると、3mくらいのチューリップが浮かんでくるのがずっと不思議だったんだけどこれはアリス症候群の一環なんでしょうかね…?

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不思議の国のアリス症候群の概要が理解できたところで、次は具体的な症状について見ていきましょう。

まず、不思議の国のアリス症候群で最もよく見られる症状は、眼に障害がなく、外界が通常どおりに見えていると考えられるにもかかわらず、対象が実際よりも極めて小さなもの、あるいは大きなもののように感じられたり、ずっと遠く、あるいはずっと近くに感じられたりすることです。例えば、小さな蚊が何十センチもあるように見えたり、教壇に立って話をする先生が何百メートルも先にいる巨人であるように感じたり、遠近感がうまく取れなくなってしまう、という症状があります。

外界が小さく感じられる症状を小視症、逆に大きく感じられるものを大視症、歪んで感じられるものを変視症と呼ぶことがあります。これらの呼称は眼底疾患など視覚そのものの障害による症状においても用いられるため、不思議の国のアリス症候群の症状との区別に注意が必要です。

不思議の国のアリス症候群によって引き起こされる症状には様々なバリエーションがあります。対象や位置が限定されることもあり、例えば視野の右半分だけが2倍の大きさになっているように感じたり、テレビに全員が映った人物の顔と体の比率が歪み、何頭身か判断できなくなったりします。また大きさだけでなく色覚に異常が起こることもあり、自分の母親の顔が緑色に見えるという症状を訴える人もいます。加えて、不思議の国のアリス症候群の中には、時間感覚に支障をきたす症状もあり、時間の進み方が速くなったり遅くなったりしたように感じることもあります。空中を浮遊するような感覚も特徴的で、現実感の喪失や離任症状を引き起こすこともあるようです。

このように不思議の国のアリス症候群は非常に多岐にわたる症状が見られますが、視覚や時間感覚について現実にあるはずのない感覚を持った場合は不思議の国のアリス症候群である可能性があります。気になる症状が見られたら、医療機関に相談して見ましょう。

子どもに多く見られる

不思議の国のアリス症候群が見られるのは子どもであることが多いようです。実際に質問サイトにも不思議の国のアリス症候群とみられる症状を訴える質問が数多くされています。そのうちのいくつかを紹介しましょう。

私の息子小学2年生ですが、時々部屋の景色が遠くに感じたり、近くに感じたりしするようです。具体的にはよく分からないのですが、例えば天井が手が届かないのに手に届きそうなくらい近くに見えるというような感じみたいです。

引用:小学2年の子供ですが、部屋の景色がたまに遠くに感じたり、近くに感じた… – Yahoo!知恵袋

「目の病気なのか精神的なものなのか、小1の息子が物が遠くに見えてだんだん元に戻ってくる事があると言うのです。夜が苦手な息子は、今も一人で寝る事ができず、私が一緒に寝ています。

昨夜『あのね、電気(照明)が時々、遠くに見えるんだ。目をつぶって考え事をしてて、あ、小さくなるなと思って目を開けるとやっぱり小さく見えて、だんだん元に戻ってくるの。エアコンとかもそう。』と言うのです。

引用:目の病気なのか精神的なものなのか、小1の息子が物が遠くに見えてだ… – Yahoo!知恵袋

いずれの質問も不思議の国のアリス症候群と見られる症状について語られていますね。やはり遠近感が通常とは違うように感じられる症状が多いようです。お子さんを心配する親御さんのリアルな声です。

不思議の国のアリス症候群は、ヘルペスを引き起こすウイルスの一種である、EBウイルスの初期の感染での中枢神経の炎症とともに報告される事例が多いです。EBウイルスは日本では子供の頃ほとんどの人が感染するものなので、このEBウイルスのために子供時代に一過性の症状を体験した人は比較的多いと見られています。したがって不思議の国のアリス症候群は一過性であることが多く、ほとんどの場合心配いりません。お子さんが不思議の国のアリス症候群のような症状を訴えたら、ひとまず経過観察をしましょう。万が一長引く場合は、深刻な病気が潜む可能性もあるので専門の先生に相談することが重要です。

不思議の国のアリス症候群と考えられる有名人

最後に不思議の国のアリス症候群であったと考えられる有名人をご紹介します。

芥川龍之介(作家)

「鼻」や「羅生門」など数多くの名作を残した作家として知られる芥川龍之介も不思議の国のアリス症候群だったのではないかと言われています。芥川の場合、閃輝暗点と呼ばれる偏頭痛の前兆現象として不思議の国のアリス症候群の症状が見られ、物が歪んで見えたり、ジグザグ光線のようなものが見えたり様々な症状に悩まされていたようです。

ルイス・キャロル(作家)

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不思議の国のアリスを描いたルイス・キャロル本人も不思議の国のアリス症候群の可能性があるとされています。偏頭痛に悩んでいたこともあり、作品内のエピソードが彼自身の体験に基づいて書かれたのではないかと推測されています。

まとめ

ここまで不思議の国のアリス症候群の概要と症状、実際に罹患していたと見られる有名人について見てきました。子どもに多く見られる不思議な病気ですが、一過性のものであることが多く、心配しすぎる必要はないということがよくわかりましたね。

その症状の特異さから親御さんを心配させることの多い不思議の国のアリス症候群ですが、その症状や原因をあらかじめ知っておくことで落ち着いて対処することができます。本記事が不思議の国のアリス症候群を知る一つのきっかけになれば幸いです。