目の病気

関節リウマチとは?関節リウマチと合併して起こる目の病気

「関節リウマチ」と聞くと、関節にしか症状の出ない病気だと思われがちです。しかし関節リウマチは、実は関節のみならず全身のあらゆる部位にさまざまな症状が起こる可能性のある病気なのです。

そこで今回は、関節リウマチと合併して起こることのある目の病気について紹介します。正しい診断は医師に行ってもらわなくてはなりませんが、気になる症状がある場合には参考にしてみてください。

関節リウマチとは

関節リウマチは、関節に痛みやはれが生じる病気です。手の指や手首などの関節を中心に、左右対称の位置に同時に症状があらわれることが多いです。関節のはれが続くと、骨が破壊されて変形してしまうこともあります。

関節リウマチにかかると、微熱・だるさや疲労感・貧血・骨粗しょう症・肺の炎症・眼の炎症・血管の炎症など、関節以外の部分にも症状があらわれることがあります。これらの症状は、関節リウマチの「関節外症状」と呼ばれています。一部の関節外症状は、皮膚や内臓を作るコラーゲン線維という物質などに生じる炎症が原因で発症するといわれています。

関節リウマチは、免疫システムの異常により生じるといわれています。免疫細胞は本来自分の体を守るものなのですが、これが何らかの原因で自分の体を攻撃するようになってしまい、関節リウマチが発症すると考えられています。

関節リウマチの初期は、関節のはれている部分を圧迫したり動かしたりすると痛みが生じます。症状がすすむと、じっとしていても痛みが生じるようになります。痛みは刃物で切ったときのような鋭い痛みではなく、強い力でしめ付けられるような痛み、と表現されることが多いです。

関節リウマチにかかっても、1~2年で自然に治ってしまう人もいます。しかし、このようなケースは非常にまれです。多くの人は、良くなったり悪くなったりを繰り返しながら、徐々に病気が進行していきます。

一方で急激に症状が悪化し、関節の破壊が一気にすすんでしまう人も2~3割います。

なお、日本では100人に1人が関節リウマチである、といわれています。発症年齢は40歳代がもっとも多いですが、患者さんの約7割の人が30~50歳代で発症しています。また、男性よりも女性の患者さんのほうが多いこともわかっています。

関節リウマチと合併して起こる目の病気

では、関節リウマチと合併して起こることのある目の病気について解説します。関節リウマチと合併することが多い目の病気には、「強膜炎」と「ドライアイ」があります。以下にそれぞれの病気の症状や原因、発症率や治療法などについてまとめます。

強膜炎

強膜とは眼の白目に当たる部分で、眼球の4/5をおおっています。この強膜に炎症が起きることを強膜炎といいます。強膜炎になると、眼の奥にうずくような痛みを感じたり、眼が紫色を帯びた赤色に充血したりします。また、急に光がまぶしくなったりもします。

重症になると炎症部分の強膜が薄くなり、穴があいてしまうこともあります。強膜炎は、感染症のほか、関節リウマチなど免疫系の異常によって生じる病気などが原因で生じるといわれています。

そして、関節リウマチに強膜炎が合併するのは、眼を作るコラーゲン線維に炎症が起こるからであるといわれています。

ちなみに、関節リウマチの患者さんのうち1%弱~6%強の方が強膜炎を発症するといわれています。逆に、強膜炎を発症する患者さんの約1/3に関節リウマチが認められるといわれています。

関節リウマチに合併した強膜炎の場合、強膜炎の症状が関節リウマチの症状と相関することがあります。強膜炎の治療は、症状に応じて抗菌薬を含む目薬やステロイドを含む目薬などが使われます。

そして重症の場合には、抗菌薬やステロイドを有効成分とする飲み薬や点滴で治療します。

ドライアイ

ドライアイとは、涙の量が減ったり涙が眼にとどまりにくくなったりするために眼が乾燥し、眼にキズがついたり不快な症状があらわれる病気です。ドライアイは、加齢・ストレス・生活習慣の影響(パソコンやスマホの長時間使用、エアコンによる乾燥、喫煙など)といったさまざまなことが原因で生じるといわれています。

そして、関節リウマチの患者さんの約2割に発症する「シェーグレン症候群」という病気の症状としても知られています。シェーグレン症候群は、1993年にスウェーデンの眼科医であるヘンリック・シェーグレンにより論文報告された病気です。

シェーグレンによると、この病気は涙腺・唾液腺・鼻の粘液腺がはれ、時に関節炎をともなうこともある複雑な病気である、とのことでしたが、発表当初、彼の報告は世に認められませんでした。

しかしその後、1940年に入ってからこの病気が医学界で認められるようになり、最初に報告したシェーグレンの名前が病名につけられたのです。シェーグレン症候群の主な症状は、眼の乾き(ドライアイ)と口の渇き(ドライマウス)です。これらの症状を根本的に治す治療は、残念ながら今のところ存在しません。

したがって、関節リウマチと合併したシェーグレン症候群によるドライアイの治療は、症状をやわらげて不快な症状をおさえる治療が中心となります。治療で使われるのは、人工的に作られた涙を主成分とする目薬や、眼の表面を保護して乾燥を防ぐヒアルロン酸の目薬、涙の分泌を促す成分を含む目薬、などです。

また、分泌された涙が流れていってしまわないように涙の排出口(涙点)に栓をしてしまう治療をすることもあります。この治療は外来で行うことができます。この治療ではまず目薬で麻酔を行い、そして専用の道具を使い涙点に栓を挿入します。痛みはなく、5分程度で終了します。涙点は片方の目に2カ所あるので、症状に合わせて栓をする箇所・個数を決めます。

「関節リウマチ」だと決めつけないことも大事

もっとも、関節リウマチだからといってこれらの目の症状が必ず出るものではありません。また、関節リウマチのある患者さんに強膜炎やドライアイの症状があっても、原因が関節リウマチであるとは限らないのです。

たとえば、関節リウマチに合併したシェーグレン症候群によるドライアイだと思っていたら、実はお薬の副作用だった、あるいはコンタクトレンズの影響だった、というケースもあるのです。関節リウマチがあると、どうしても先入観が生じてしまいます。そのため、眼に何らかの症状があると関節リウマチとの関連を疑ってしまいがちです。

しかし、治療を続けても眼の症状がすっきりしない場合には、もう一度医師としっかり相談することが必要です。また、時にはセカンドオピニオンを求めることも大切です。

まとめ

以上、関節リウマチや合併することのある目の病気について解説してきましたが、いかがでしたか?関節リウマチは、関節以外の部分にもさまざまな症状があらわれる可能性があります。

強膜炎やドライアイは関節リウマチに合併する可能性のある症状ですが、これらの症状の原因が、必ずしも関節リウマチであるとは限りません。

とはいえ、関節リウマチのある患者さんに何らかの眼の症状が出る可能性は、普通の人より高いといわれています。眼の調子がいつもと違う、と感じたらできるだけ早く眼科を受診しましょう。

また、特別な症状がなくても定期的に眼科を受診して、病気の早期発見・早期治療をめざしましょう。