目と美容

不快な逆さまつ毛、どうすればいい?放っておくと重い病気になることも…

自分のまつ毛で目が痛い!……それは「逆さまつ毛」の可能性あり

強い風が吹いているわけではない。ゴミが入ったわけでもない。コンタクトレンズの調子がおかしいわけでもない。なのに目が痛い!――。これは自分のまつ毛が目に触れてしまうことで角膜を傷つけてしまう「逆さまつげ」で悩む人の身に起こる現象です。

逆さまつげは今も昔も多くの老若男女が抱える目のトラブル。原因が自分のまつ毛なので「仕方がない」と我慢している人もいます。

まつ毛は目を異物から守る大切な体毛の一つですが、場合によっては目を傷つけてしまうので、逆さまつ毛を甘く見てはならず、何かしらのケアや治療が必要です。常に清潔であるとは限らないまつ毛が目の角膜に触れ続けると、ただ痛いだけでは済まず、重い眼病に進行してしまうことも……。

そこで、今回は逆さまつ毛の原因を探りつつ、自分でできる対策や治療法についていくつかご紹介します。今現在も逆さまつ毛に悩んでいる方、または逆さまつ毛の可能性を疑っている方も、ぜひ参考にしてください。

「逆さまつ毛」とはどのような状態のことなのか?

逆さまつ毛とはズバリ、まつ毛が内向き、つまり眼球の方向へ向かっている状態のことをいいます。

逆さまつ毛

通常、まつ毛は外側に生えて、目を外部の様々な刺激から守る働きをしていますが、逆さまつ毛は目の側に向かっているので、角膜にまつ毛の毛先が頻繁に触れ、痛みや充血など非常に不快な症状を引き起こします。

目にほこりや抜けたまつ毛が入ったときの痛みは思わず一瞬、すべての行動が止まってしまうほどですが、この痛みが日々の生活の中で頻繁に起こるのが逆さまつ毛の症状であり、怖さでもあります。

逆さまつ毛になってしまう原因

さて、そんな厄介な逆さまつ毛ですが、どうして本来外に向かうはずの毛先が目の内側に向かってしまうのでしょうか。その原因は大きく、「まぶたによるまつ毛の圧迫」と「正常ではないまつ毛の生え方」にありました。どちらも外部によるものではなく、自分の目の周りで起こったことが原因です。

まぶたによるまつ毛の圧迫が原因の場合=眼瞼内反症(がんけんないはんしょう)

人間の目の周りには薄い皮膚と筋肉があり、これらが連動することによって様々なまぶたの動きが可能になります。たとえば目を見開いたり、まばたきしたりするのもその一つ。そして目の際に生えたまつ毛を外側に向かせるのも目の周りの皮膚と筋肉の働きによるものですが、この二つが加齢などで緩んでまぶたにハリがなくなると、皮下脂肪や皮膚の重みがまつ毛にかかり、まつ毛の生え際が内側に入り込んでしまうことになります。こうして逆さまつ毛状態になり、目に不快な症状が出てしまうのです。

また、乳幼児などまだ幼く、顔のお肉や皮膚がぷにぷにしている場合にも同じようにまつ毛の生え際が内側には入り込むことも……。成長するにつれ目元がすっきりして治ることが多いそうですが、中にはある程度成長しても逆さまつ毛の状態のままの子どももいます。

こうしたまつ毛の生え際が内側にめくれることによる逆さまつ毛のことを、眼瞼内反症(がんけんないはんしょう)といいます。逆さまつ毛にはちゃんしたと医学的な病名がつけられていたんですね。

正常ではないまつ毛の生え方原因の場合=睫毛乱生(しょうもうらんせい)

逆さまつ毛のもう一つの原因はまつ毛の生え方にありました。生まれつきまつ毛の生え方がまばら、もしくはまつ毛の毛根部分の炎症などにより、まつ毛が内に向かってしまうことで逆さまつ毛になってしまう……この状況のことを睫毛乱生(しょうもうらんせい)と呼びます。

まぶたとまつ毛、どちらに原因があるとしても逆さまつ毛にあることに変わりはなく、としてどちらをとっても目は痛くてゴロゴロするだけ――。逆さまつ毛はこの言葉の印象以上に人を悩ませる、厄介なものだと言えるでしょう。

逆さまつ毛を放置すると……目のトラブル続きになる!

まぶたとまつ毛をどうにかしない限り続く逆さまつ毛による不快な症状。毎日感じる痛みとイライラを無理に我慢して放置すると……ゴロゴロとした異物感、充血などの他、以下のような症状・眼病になる可能性があります。

目が真っ赤になる結膜炎

眼球を覆っている結膜が細菌やウイルスで炎症を起こしてしまう眼病です。ゴロゴロとした違和感や充血、大量の目やに、目のかすみなどの症状が出ます。逆さまつ毛であれば汚れたまつ毛が直接まつ毛に触れてしまうことも多いのですから、当然と言えば当然の眼病なのかもしれません。

角膜が炎症を起こしてしまう角膜炎

結膜炎とともによく耳にする眼病です。角膜(黒目部分)が細菌やウイルスに感染することで炎症を起こしてしまう眼病ですが、まつ毛で目が傷つきやすい逆さま毛の場合は普通より感染しやすいと言えるでしょう。

症状は目の痛みや充血、大量の目やに、目の違和感など、結膜炎に非常によく似ていますが、重症化しやすいのは角膜炎の方。ひどい場合には失明の可能性もあるので注意が必要です。

視力の低下

逆さまつ毛は毛先の鋭い部分が目に触れるので、結果として角膜を傷つけることになります。

すると、そのまま「見えにくさ」につながり、視力が低下してしまうのです。子どもの場合は特に注意したいものです。大事な成長期での視力低下を避けるためにも、ものが見えにくいなどの傾向がみられた場合には逆さまつ毛によるものかどうか、保護者は速やかに医師に相談して指示を仰いでください。

角膜が削れていく角膜潰瘍

角膜潰瘍とは、傷ついた角膜に細菌やウイルスが感染し、角膜の表面から欠損してく眼病です。「欠損」とは要するに削れてしまうこと。したがって当然痛みも激しく、重症化すると失明することもあるので、避けたい眼病の一つです。

視界が曇る角膜の混濁

まつ毛によって角膜が傷つけられ続けると、角膜が白くに濁ってしまうことがあります。これを「角膜の混濁」といいますが、このような状態になると視界が曇るので、良好な視野が得られなくなり、非常に不便な思いをすることになります。

結膜炎、角膜炎、視力の低下、角膜の混濁、そして重症化すると視力を失う可能性もある角膜潰瘍など……重い眼病や視力の低下を引き起こす逆さまつ毛対して何も対策を行わないのは、やはりおすすめできません。特に逆さまつ毛で目が痛む状態をうまく言葉で言い表せない幼い子どもについては、保護者が注意深く目を観察してあげることが大切です。逆さまつ毛で目がつらそうな状態を見かけたら、なるべく早く対策を講じるようにしましょう。

セルフケアから手術まで!逆さまつ毛を治す方法

それでは様々な目のトラブルを引き起こすトラブルメーカー・逆さまつ毛に対してはどのような対策が有効なのか、みていきましょう。原因はまぶたとまつ毛にありますので、問題のあるこの二つの部分にどう対処するかが焦点になります。

ビューラーでまつ毛の先を上げる

女性なら人によっては毎日使っている方も多いビューラー。まつ毛を「くるん」と上向きにカールさせるビューラーは、目をパッチリ見せたい女性にとってはマスカラ前の必須美容アイテムですが、これが逆さまつ毛にも効果を発揮します!

それもそのはず、ビューラーはまつ毛を上向きにさせるものなので、角膜に届きそうなほど下向きになったまつ毛に使うのはとても有効な手段なのです。

ただし、下まつ毛にビューラーを使うことは、メイク慣れした女性でも少々難しく感じるものなので、男性にはあまりおすすめできません。普段からビューラーの使い方に慣れている女性向けの対策、といったところでしょうか。ビューラーを使うときは自分のまぶたのカーブに合ったものを使ってください。

自宅でまつ毛パーマをかける

考え方はビューラーと同じですが、こちらはパーマをかけるので、上向きカールが1カ月程度維持できるという長所があります。

最近では自宅でできるまつ毛パーマキットも販売されていますので、ビューラーが苦手な方や毎日ビューラーを使うのが面倒だと感じる方はまつ毛パーマを検討してみるもいいかもしれません。

ただ、目の周りの皮膚は薄くてデリケートなので、肌の弱い方は控えた方が賢明です。

まつ毛を抜く

内側に生えているまつ毛を抜く原始的な方法です。ビューラーやまつ毛パーマのことがよくわからない方はまつ毛を抜くことで対処することも可能ですが、痛みを伴いますし、脱毛後に炎症を起こしてしまうこともあります。確かに自分で抜くこともできますが、できれば眼科に相談していただきたところです。

眼科では「睫毛電気分解(しょうもうでんきぶんかい)」とよばれるレーザーを使った脱毛を保険治療で対応してくれることもありますので、無理をせず、眼科医に相談しましょう。

目薬をさす

逆さまつ毛による影響で結膜炎などになってしまった場合は、市販の抗菌目薬や眼科で処方された点眼薬で一時的な目のケアをすることも手です。逆さまつ毛の根本的な解決にはなりませんが、すでに何かしらの眼病にかかっている場合には目の治療を優先した方がよいでしょう。

以上が自宅でできる逆さまつ毛のセルフケアの例ですが、逆さまつ毛には手術による治療もあります。それはあの二重まぶたの美容整形でおなじみの「埋没法」です!

埋没法による逆さまつ毛治療の手術

埋没法はまぶたを引き上げることによって、まぶたがまつ毛に覆いかぶらないようにする治療法です。具体的にはまぶたの裏側から数カ所を糸で留めてまぶたを引き上げる手術が行われます。これは主に眼瞼内反症に有効治療法ですので、睫毛乱生の場合はレーザー脱毛をすすめられることがあります。

埋没法の手術を受けることで、一重まぶただった方は二重になりますが、逆さまつ毛の治療目的の場合は保険治療になることがあるので、長年逆さまつ毛で悩んできた方は一度手術を検討してみてはいかがでしょうか。

保険が適用された場合、、費用は両目で1万円程度のことが多いようです。それでも眼科によって治療費には幅がありますので、気になる方は直接眼科に問い合わせしてください。

皮膚を切除する手術もあり。下まつ毛の場合

下まつ毛の場合にも埋没法で手術が可能ですが、皮膚を切除して皮膚を引っ張る切開法とよばれる手術法の方をすすめられることもあります。こちらの方がより、まつ毛の向きをしっかり外側に向けさせることができると判断されたからですが、メスを使う手術にどうしても抵抗がある方は、切開法以外の治療法を医師に相談してみましょう。

決して甘く見てはならない逆さまつ毛

逆さまつ毛が引き起こす予想外のトラブルについて、おわかりいただけたでしょうか?

幼い子どもから皮膚や筋肉の衰えが出始める年齢層の方まで、逆さまつ毛で悩む人は私たちの想像以上に多いのが現実です。

毎日目の不調を抱えながらの生活は大変ストレスがたまるもの。「ひょっとして逆さまつげかも……」と思うところがあれば、ぜひ眼科を受診してください。逆さまつ毛なんてよくあること、と甘く見てはいけません!

参考ページ

眼瞼内反症(逆さまつげ)とは
まつげが眼球を傷つける「逆さまつげ」とは?
まつげの生え方が原因の逆さまつげ「睫毛乱生」とは?
逆さまつげ
逆さまつげの2つの原因って?
川本眼科だより 167 逆さまつげ
眼瞼内反症手術
逆さまつげの治療法を大特集!~セルフケアから美容整形まで~
もう逆さまつ毛で悩まない!逆さまつ毛自己解消法&治療法
まつげが逆に生えるの!?よく耳にする「逆まつげ」って?