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猪目とは?猪目の意味から猪目窓、猪目が見られる神社をご紹介【写真あり】

愛情や好意のシンボルでもあるハートマーク。トランプのマークやメールなどで使う絵文字でもよく見かけるマークですね。女性向けのアクセサリーや小物といったアイテムに用いられることも多く、特に女性にとっては馴染み深いマークといえるでしょう。「ハートマークは海外のもの」というイメージを持っている人も多いかもしれませんが、実はこのハートマーク、日本に古くからある神社や寺院などの建物にも使われていることをご存知でしょうか?

厳密にいうと、日本古来の建物に使われているハートマークは、現在使われている心臓をシンボルとする「ハートマーク(heart mark)」ではありません。日本古来の建物に使われているハートマークは「猪目」といい、イノシシ(猪)の目をモチーフにしたとされている文様なのです。では、この猪目とはいったいどのような文様で、どのような意味や思いが込められているのでしょうか。猪目を見ることができる神社や猪目をあしらった窓を見ることができる場所、猪目文様の小物などをチェックしながら、日本古来よりあるハートマーク「猪目」の不思議をひも解いていきましょう。

猪目とは?

「猪目(いのめ)」とは、ハートマークのような形をしている日本の伝統文様の1つです。では、猪目はどのようにして生まれた文様なのでしょうか。実は猪目の由来は諸説あり、イノシシ(猪)に由来するという説とイノシシ以外のものに由来するという説に大きく分けることができます。

猪目=イノシシの目?

まず、猪目はイノシシに由来するという説から詳しく見ていきましょう。猪目がイノシシに関連しているという考え方には、「イノシシの目をモチーフにした」「イノシシを意味する十二支の『亥(い)』が変形してできた」「梵字の『イー』が変形してできた」という3つの説があるようですが、なかでも有力なのが「イノシシの目をモチーフにした」という説です。

イノシシの目と聞いて、みなさんはどのような形だったか思い出せますか?実際のイノシシの目を確認してみましょう。

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片目だけを見るとハートの片側のような形にも見えますね。昔の人がイノシシの目にどのようなインスピレーションを受けて「猪目」の文様をデザインしたのかは明らかになっていませんが、イノシシの目がハートのような形を連想させることから「猪目」の文様ができたのかもしれません。

猪目=懸魚?

本物のイノシシの目をモチーフにしたのではなく、神社や寺院の建物に見られる「懸魚(げぎょ)」という部分にあしらわれている文様がイノシシの目のように見えるから「猪目」と名付けたという説もあります。懸魚とは、切妻屋根や入母屋造の屋根の両端部分につけられた板(破風板)に吊り下げる装飾板のこと。懸魚にもさまざまな種類がありますが、2つのハートマークがシンメトリーに配置された懸魚を正面から見ると、2つのハートマークがちょうどイノシシの目のように見えることから、このような懸魚を「猪目懸魚(いのめげぎょ)」と呼ぶようになり、目の部分のハートマークを「猪目」と呼ぶようになったという考え方のようです。

本物のイノシシの目をモチーフにしたのか、はたまた懸魚のデザインがイノシシの目のように見えたから猪目と名付けたのか、意見が分かれるところではあります。しかし、猪目の由来がイノシシの目であるとする説は、いずれもイノシシの目を特別なものとして考えて「猪目」の文様を作ったという考え方に基づいているようですね。

イノシシが由来ではないという説も

一方、猪目の文様はイノシシが由来ではないとする説もあります。たとえば、もともとは菩提樹の葉をモチーフとしているという説。菩提樹とは仏教三大聖樹の1つで、この菩提樹の下でお釈迦様が悟りを開いたとされています。菩提樹の葉はハートマークに似たような形をしており、仏教に関係する建物や道具にあしらわれることも多くありました。そして、この菩提樹の葉の絵があしらわれた建物や道具が、飛鳥時代に仏教とともに日本に伝わり、のちに「猪目」と名付けられたという考え方もあるのです。

しかし、日本では仏教伝来以前から、ハートマークを魔除けとして使用する独自の文化があったとする説もあります。その証拠が古墳時代のものと考えられる刀の鍔(つば)として使われていたとされる「倒卵型鍔(とうらんがたつば)」。この倒卵型鍔にはハートマークのような装飾がほどこされており、これが猪目のルーツなのではないかと考える人もいるようです。

このように、ハートマークの「猪目」の由来は諸説ありますが、日本の長い歴史の中で「猪目」は神社や寺院などの神聖な場所から、身の回りの道具にいたるさまざまなところに使われてきました。それほど日本人に愛されてきた文様なのですね。では、「猪目」の文様にはどのような意味が込められているのでしょうか。

猪目の持つ意味

古来より日本で使用されてきた「猪目」には「魔除け」「火除け」「招福」といったさまざまな意味が込められています。それぞれの意味について詳しく見ていきましょう。

猪目の持つ意味1.魔除け

日本では古くから、獣の目には魔除けの効果があると信じられてきました。そのため、獣であるイノシシの目をモチーフとして文様をデザインし、魔除けのシンボルとしたのではないかと推測されているのです。しかし、日本にはイノシシ以外にもシカやクマといった獣がいるのに、なぜイノシシの目をモチーフにしたのかという疑問が残りますね。この疑問に対する明確な回答は見つかっていませんが、おそらく「火除け」の意味も合わせてイノシシを選んだのではないでしょうか。

猪目の持つ意味2.火除け

イノシシを十二支で表すと「亥」になります。十二支は「干支」として馴染み深い考え方ですが、実は日本に古くからある「陰陽五行説」でも使用されていることをご存知でしょうか。亥(イノシシ)は陰陽五行説において水に属しているので、対局にある火(火事)から建物を守ってくれるのではないかと考えられていたのです。

先ほどご紹介した「猪目懸魚」は、木造建築が多かった日本の建物を家事から守るために作られたと考えられています。懸魚そのものが火除けのまじないなのですが、猪目懸魚は火除けの意味をさらに強めているというわけですね。

猪目の持つ意味3.招福

猪目の由来として考えられている説の中に、「イー」の梵字が由来であるとする説があります。実は梵字の「イー」は、仏教の守護神(天部)の1つである帝釈天を意味しています。帝釈天は勝負事を司る神様で、災いから免れ出世や蓄財ができるというご利益があるといわれています。猪目には、帝釈天の加護によって福を招くという意味も込められているのですね。

猪目のある建物

歴史ある神社や寺院、城などといった日本の伝統的な建築物には、猪目が多く使われています。身近にある神社や寺院でも見つけられる可能性が高いのですが、まずは有名なところで猪目を見つけてみたいという人もいるのではないでしょうか。そこで、猪目のある建物のうち、特におすすめのスポットをご紹介したいと思います。お出かけの際にはぜひチェックしてみてくださいね!

総本山 長谷寺 (奈良県)

奈良県桜井市にある長谷寺は、真言宗豊山派の総本山として知られています。天武天皇や聖武天皇にゆかりのあるお寺であることからも、非常に歴史の深いお寺であることがうかがえますね。また、春は桜、夏はアジサイ、秋はモミジ、冬は雪など、四季折々の花や景色を楽しめることから、「花の御寺」ともよばれています。

長谷寺ではいたるところに猪目が使われており、懸魚はもちろん建物で使われている金具や仏具にも非常にたくさんの猪目を見つけることができます。たくさんのハート型の猪目に囲まれて、幸せな気持ちになること間違いなしですね。

総本山 長谷寺へのアクセス

  • 住所:奈良県桜井市初瀬731-1
  • 最寄り駅:近畿日本鉄道大阪線「長谷寺駅」(徒歩15分)
  • 入山料金:(大人)500円、(中学生・高校生)500円、(小学生)250円
  • 駐車料金:(二輪)200円、(普通車)500円

東京大神宮 (東京都)

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伊勢神宮の内宮の御祭神である天照皇御神(あまてらすすめおおかみ)、伊勢神宮の外宮の御祭神である豊受大神(とようけのおおかみ)、そして倭比賣命(やまとひめのみこと)を御祭神としていることから、「東京のお伊勢さま」ともよばれる東京大神宮。これらの神様のほかにも、造化の三神とよばれる神様を祀っていることから、東京大神宮は縁結びのご利益がある神社としても知られています。

また東京大神宮は、明治33年に当時の皇太子殿下(大正天皇)と九条節子さま(貞明皇后)のご結婚を記念し、一般向けの神前結婚式を創始したことでも有名な神社です。東京大神宮が考案した神前結婚式の内容は、現代の日本人も行っている神前結婚式の儀式へと脈々と受け継がれています。御祭神の神徳だけでなく、このような実績からも、縁結びのご利益が期待されているのかもしれませんね。

東京大神宮には300個以上の猪目があるといわれており、特に猪目の透かし彫りがほどこされている金具が多く見られます。最近では、「東京大神宮で多く見られるハートマークの猪目を携帯電話やスマートフォンの待ち受けにすると恋愛運がアップする」などというジンクスもあるようで、よい出会いを求める人々のパワースポットにもなっています。

東京大神宮へのアクセス

  • 住所:東京都千代田区富士見2-4-1
  • 最寄り駅:JR中央線・総武線、東京メトロ有楽町線・南北線・東西線、都営地下鉄大江戸線「飯田橋駅」(徒歩5分)

北野天満宮 (京都府)

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北野天満宮は京都府京都市にある神社で、学問の神様として有名な菅原道真をご祭神として祀る全国各地の天満宮、天神社の総本社です。修学旅行で受験の成功を祈って参拝したという経験を持つ人も少なくないのではないでしょうか。

北野天満宮では冬から春にかけて、50種1500本もの梅の木からなる梅苑を楽しむことができます。太宰府へ左遷が決まり、京を去るときに詠んだとされる句「東風(こち)吹かば 匂ひおこせよ 梅の花 主なしとて 春を忘るな」にちなんでいるのでしょうか。毎年2月上旬ごろから3月下旬ごろまで梅苑が一般公開されているので、猪目文様と梅苑を両方楽しみたいという人はこの時期を狙うとよいかもしれません。また、御土居のもみじも絶景です。新緑の季節や紅葉の季節には、もみじを見ながら猪目を探すのもよいでしょう。

北野天満宮へのアクセス

  • 住所:京都府京都市上京区馬喰町 北野天満宮社務所
  • 最寄り駅:京福電気鉄道北野線「北野白梅町駅」(徒歩13分)

姫路城 (兵庫県)

釘かくしは ハート型の穴❤ #釘隠し #ハート型 #猪目 #国宝姫路城

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姫路城は1993年に奈良の法隆寺とともに、日本初のユネスコ世界文化遺産に選ばれた歴史ある建築物です。隣県の岡山県にある岡山城が、その城壁の黒さから「烏城(うじょう)」とよばれているのに対し、白漆喰で塗られた城壁をもち、白鷺が羽を広げたような姿を思い起こさせる姫路城は「白鷺城(しらさぎじょう、はくろじょう)」ともよばれています。

戦国時代には、敵に見つかりにくくするために城の色を暗い色にすることが多かったようですが、姫路城の大天守は、関ヶ原の戦いが終わり、戦乱が落ち着いてきた1609年に建築されたもの。姫路城の白漆喰の城壁は天下泰平の世になったことの現れでもあるのですね。

しかし、いくら平和な世の中になったとしても、天変地異や感染症などのメカニズムは解明されていない時代ですので、魔除けは必要。姫路城でもあらゆるところに魔除けの効果が期待できる「猪目」の文様を見ることができます。大天守の懸魚にも「猪目」の文様が見られますので、大天守に上った際には、大天守の中から外を見て懸魚のデザインを確認してみてください。

姫路城へのアクセス

  • 住所:兵庫県姫路市本町68番地
  • 最寄り駅:山陽新幹線・JR山陽本線「姫路駅」、山陽電鉄本線「山陽姫路駅」(徒歩20分)
  • 入城料:(大人)1,000円、(小人)300円

名古屋城 (愛知県)

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大きな金のシャチホコで有名な名古屋城は、徳川家康が天下統一に臨むための重要拠点として築いたという歴史のある城です。同じ規模である江戸城の天守が江戸時代の明暦の大火で、大阪城の天守も江戸時代に落雷に遭って焼失してしまっている一方で、名古屋城の天守は太平洋戦争中の空襲で天守が失われるまで創建当初の姿を保ったとされています。現在の天守や本丸御殿は戦後再建されたものですが、資料が豊富に残っていたこともあり、焼失前とほとんどかわらない姿で再建することができたようです。

名古屋城でもさまざまなところで猪目を発見することができます。しかし、現在の天守は再建されてから半世紀を超えており、老朽化や耐震性の不安があることから、2018年5月7日に閉館し、竣工まで立ち入ることができなくなります(竣工予定は2022年12月)。

「それでは名古屋城の猪目をすぐに見ることはできないの?」と疑問に思うかもしれませんが、心配ご無用。猪目は天守だけではなく、本丸御殿にも使われています。1年中四季折々の植物を楽しむことができますし、お祭りも頻繁に開催されていますので、天守に入ることができなくても猪目探しとともに名古屋城の散策を楽しむことができますよ。

名古屋城へのアクセス

  • 住所:愛知県名古屋市中区本丸1番1号
  • 最寄り駅:名古屋市営地下鉄名城線「市役所駅」(徒歩5分)、名古屋市営地下鉄鶴舞線「浅間町駅」(徒歩12分)、名古屋鉄道瀬戸線「東大手駅」(徒歩15分)
  • 入城料:(大人)500円

猪目窓とは?

日本の伝統的な建築物において、懸魚といった装飾板や釘隠しなどの金具に使われることの多い猪目。しかし、大胆にも窓全体を猪目、つまりハート型のような形にするケースもあります。このように、猪目をかたどった窓を「猪目窓」といいます。それでは、猪目窓がある建物にはどのようなものがあるのでしょうか。有名な建物を2つご紹介します。

正壽院 (京都府)

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正壽院は高野山真言宗に属するお寺。いつ建てられたのかは定かではありませんが、800年ほど前に創建されたとする説が有力です。正壽院のみどころの1つは、国指定重要文化財「木造不動明王坐像」でしょう。この像は鎌倉時代の有名な仏師、快慶の作です。慈悲深い温和な表情の如来像の作品が多い快慶ですが、正壽院の不動明王は険しい表情をしています。快慶の作品の中でも非常に貴重で珍しい作品というわけですね。

そしてもちろん、猪目窓も押さえておきたいポイントです。実は、正壽院の客殿「則天の間」にある猪目窓は、最近作られたものですので、歴史がとりわけ長いというわけではありません。しかし、ハート型の窓と、建物の中から猪目窓を通して望む景色がフォトジェニックであるとして、特に女性に大人気のスポットとなっています。

猪目窓からの眺めは季節によっても大きく変わり、春は桜のピンク色に、夏は新緑の緑色に、秋はもみじの赤色に、冬は雪の白色に窓全体が染まります。また時間帯によっては、窓の外から建物の中に日が差すことでできる猪目の影「幸せのおかげ」も楽しむことができます。

猪目窓のある部屋では、160枚もの日本の風景・花をテーマとする画で埋め尽くされた天井画を楽しむことができますし、7月初めから9月中旬にかけては「風鈴まつり」も開催されています。猪目窓と合わせてぜひチェックしたいポイントとなっています。京都の新名所になりつつある正壽院で、フォトジェニックな猪目窓を堪能してくださいね!

正壽院へのアクセス

  • 住所:京都府綴喜郡宇治田原町奥山田川上149
  • 最寄り駅:JR奈良線「宇治駅」・近畿日本鉄道奈良線「近鉄新田辺駅」・京阪宇治線「京阪宇治駅」→京都京阪バス「維中前・緑苑坂・工業団地行」の「維中前バス停(所要時間30分)」で下車→コミュニティバス「奥山田バス停(所要時間15分)」で下車→奥山田バス停より徒歩10分
    JR奈良線「宇治駅」・近畿日本鉄道奈良線「近鉄新田辺駅」・京阪宇治線「京阪宇治駅」からタクシーで30分

町家物語館 旧川本家住宅 (奈良県)

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町屋物語館(旧川本家住宅)は、奈良県大和郡山市にある町屋建築です。大正時代に遊郭として建てられた建物で、遊郭自体は昭和33年に廃業となっていますが、その後下宿や貸間として利用されてきました。保存状態が非常に良好で、当時としては珍しい木造三階建ての建築物であることや、技術の光る欄間、数寄屋造りの小部屋など、特殊な建築技法を取り入れた建物であることから、2014年には登録有形文化財にも指定されました。

町屋物語館(旧川本家住宅)の猪目窓は、外からも見える三連のものが有名です。格子の入った猪目窓はかわいらしさとともに哀愁を感じますね。当時の遊女はこの窓から遊郭の街を眺めていたのでしょうか。大正時代の遊郭の雰囲気やすばらしい技巧の意匠を堪能できる町屋物語館(旧川本家住宅)。2018年1月から一般公開されていますので、建物の中から猪目窓を覗いてみましょう!

町家物語館(旧川本家住宅)へのアクセス

  • 住所:奈良県大和郡山市洞泉寺町10
  • 最寄り駅:近畿日本鉄道橿原線「近鉄郡山駅」(徒歩8分)、JR大和路線「郡山駅」(徒歩8分)

猪目は他にも様々なところに

猪目は神社や寺院、城といった日本の伝統的な建築物に使用されていることが多いということをご紹介してきましたが、実は猪目の使用場所は建物だけにとどまりません。刀の柄や鍔、家紋、茶碗などにもあしらわれてきた文様なのです。では、猪目はどのようにこれらのデザインに取り入れられているのでしょうか。それぞれについて詳しくチェックしていきましょう!

刀と猪目

猪目は日本刀にも使われています。特に刀を握るための部分である柄(つか)や柄の先端に装着する金具である柄頭(つかがしら)、刀身と柄の間にあり手を守るための鍔(つば)に装飾されることが多いようです。特に鍔ではさまざまなデザインが見られますので、次の項目で確認していきましょう。

鍔と猪目

日本刀の刀身と柄(つか)の間にある鍔(つば)は、刀身から手を守る役割を果たしている部品です。柄のデザインも多様なのですが、鍔はさらに豊富なデザインをもっています。さまざまなデザインのなかでも猪目はよく使われていますので、日本刀を見る機会があれば、鍔の部分に猪目がないか探してみてください。

茶碗と猪目

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猪目茶碗とは、全体が猪目の形をした茶碗のこと。つまり、ハート型に近い茶碗ということですね。猪目茶碗は、抹茶や梅昆布茶など、さまざまな種類のお茶を楽しむのに使われています。かわいらしいハート型の猪目茶碗でお茶をいただくと、より一層心をリフレッシュすることができそうですね。

家紋と猪目

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先祖が脈々と受け継いできた家紋のなかにも、猪目が取り入れられているものがあります。猪目をデザインに取り入れている家紋の一例として、「丸に剣片喰(まるにけんかたばみ)」が挙げられます。「子孫繁栄」を表すカタバミと、「魔除け」「招福」を表す猪目とを融合したデザインとなっています。片喰紋には「丸に剣片喰」以外にもたくさんの種類があります。自分の家の家紋にも猪目が隠れていないか、ぜひ探してみてくださいね。

まとめ

日本古来のハートマークである「猪目」。由来は諸説ありますが、いずれにしても「魔除け」「火除け」「招福」といった意味をもつ、神聖で縁起のよいデザインであることには変わりありません。日本の伝統的な建築物の懸魚や金具に使われていたり、窓の形として使われていたりと建物に使用されることが多い猪目ですが、家紋といった家を表すものから、刀といった武士の魂、茶碗といった身の回りのアイテムにまで使用されるほど、長い間愛されてきた文様です。言い慣れた「ハートマーク」という言葉を使ってしまいがちですが、長い歴史のある「猪目」という名前も大切にしたいですね。