目のコラム

【近視と遺伝の関係性】目の悪さは遺伝するのか?

視力の悪い人の中には、家族みんながメガネっ子という家庭も少なくないのではないでしょうか?そうなると感覚的に「自分の子どもも目が悪くなるんだろうな」思うかもしれませんが、本当に視力は遺伝するものなのでしょうか。

視力は遺伝するのか

一般的に「視力が悪い」というと近視のことですが、近視は遺伝による影響が大きいということが分かっています。

近視は網膜より手前に焦点が来てしまう症状なのですが、これは眼球が上下に押しつぶされたような楕円形をしているために起こります。そして目の中の組織や目の形状には遺伝的要素が大きく関わっています。

近視の遺伝に関する研究で、両親共に近視ではない人と比較し、両親とも強い近視の場合は5倍、片親のみの場合は2倍の確率で近視になるというデータがあります。(参考:日経DUAL:子どもの近眼リスク 片親が近視で2倍、両親で5倍)

しかし、この結果だけで諦めてはいけません。視力の低下には生活環境が大きく関わっています。例えばテレビやゲームを良く利用する子供は視力が低下しやすいことは知られていますが、それらの利用時間は生活環境によって大きく変化するのです。テレビを良く見る家庭の子供は必然的に視聴時間が長くなるということです。生活環境を整えることで視力の低下は防げる可能性があります。

子どもの視力を低下させないためにできる対策

遺伝というハンデキャップを跳ね返せる対策はないのでしょうか。

目を酷使しない、休ませる

目が疲れると物が見えにくくなったり、かすんだりします。すると良く見ようとさらに目を酷使したり、目をこすったりします。それらは視力低下の原因になるものです。また集中して物を見るとまばたきの回数が減ります。すると角膜を保護している涙が蒸発してしまいドライアイに繋がり、視力低下の原因となります。

疲れさせないのは大事ですが、より重要になのが休息です。一般的に読書やテレビ・パソコンの画面を見る場合は1時間に10~15分の休憩を取るべきだと言われています。その間に目をぎゅっとつぶったり、マッサージをするなどして疲れを癒すようにします。

もし、すでに視力低下の兆候がある場合、目を酷使する時間は30分を限度として休息をとります。一時間分の授業にも満たない時間で、しっかりと学習させたい保護者としては辛い決断かもしれません。しかし目の健康はこれから先の長い人生において非常に重要です。

姿勢や明るさに注意

誰しも子どもの頃に「明るいところで読みなさい」「背筋を伸ばして座りなさい」と注意を受けたことがあると思います。これは視力という観点からも大切なことです。

物を見るときの明るさは目の疲れ具合に非常に大きな影響を及ぼします。暗いところで物を見るためには瞳孔を大きく開き、たくさんの光を取り入れる必要があります。一方読書など近くのものを見るためには瞳孔を小さくしてでピントを合わせるようにできています。このような反対の作用は目の周りの筋肉の緊張を高め、疲れに繋がります。

一般的にリビングの明るさは300~500ルクスが最適だと言われています。そして読書や勉強などでは500~1000ルクス、手芸などの細かい作業を行うのであれば750~2000ルクスが必要です。シーンに合わせてデスクライトなどを組み合わせ明るさを調節します。最近ではスマートフォン用照度計アプリもあるので活用してください。

また車や電車の中での読書等も視線や明るさが安定せず、視力低下に繋がりやすいのでおすすめできません。

外遊びが効果的?!

中国、オーストラリアで両親が近視の子どもに対して行われた研究で、1日の屋外活動が1時間未満の子供は近視になりやすく、二時間以上の子どもは近視になりにくいというデータが発表されました。

これは屋外で活動をすることで見るものの距離を絶えず調節したり、木や建物の影、雲による陰り等に合わせて明るさを調節することが関わっているようです。

これはまだ研究途中のものですが、両親ともに強い近視がある家庭には大変気になる発表ですね。

まとめ

強い近視のある親としては、子どもが近視で困る姿は見たくないというのが本音でしょう。遺伝も関係があるので多少の覚悟は必要ですが、望みをかけて対策をしてみるのも良いと思います。できるところから少しずつ生活環境を改善してみてはどうでしょうか。