目と生き物

【視界の違い】肉食動物と草食動物によって異なる目の位置と見え方

イヌやネコ、ウサギやハムスターなど。飼っているペットや、動物園で動物を見たときに、目の位置が気になったことはありませんか?

実は動物は、種類によって目の位置が異なります。それはなぜなのでしょうか?ここでは、その理由と、動物たちはそれぞれ、世界がどのように見えているのかを解説します。

肉食動物と草食動物は目の位置が異なる

まず、すぐに見た目が想像できる動物を挙げてみましょう。ライオン・トラといった大型でどう猛な動物は、顔の前に目がついていますね。

同じように、顔の前に目がついている動物では、チーター、ヒョウ、小型な動物ではネコ、タカなどが挙げられます。

これらの共通点は「肉食動物」であることです。

▽肉食動物の代表「ライオン」

次に、目が顔の横についている動物です。
シマウマ、ウサギ、ウマ、シカなど、比較的おとなしく、肉食動物たちから逃げる動物たちが挙げられますね。つまり「草食動物」です。

▽シマウマ

動物は他に「雑食」がいますが、おおかた、目の位置で分類すると、このように肉食動物と草食動物に分けられます。

肉食動物と草食動物の視界の違い

まず先に「単眼視野」と「両眼視野」という言葉について説明しましょう。

両眼視野とは、両目で見ることで、はっきりとピントを合わせて立体的に物の形をとらえ、目標物との位置を正確に測ることができる見え方・視野のことを言います。単眼視野は、左右どちらか片方の目で見える視野のことです。

それでは、肉食動物と草食動物は、なぜそれぞれに目の位置が異なるのか、そしてそれぞれの見え方について、理由を含めながら具体的に解説していきます。

肉食動物の視界

肉食動物の目が正面についているのは、両眼視野を確保し、獲物と自分との位置を正確に見定める必要があるからです。

肉食動物は、生きるために狩りをします。そして狩りをする時に、獲物と自分との位置や距離感を測りながらそっと近づき、襲いかかるのです。自分の正面にある獲物を立体的に見られなければ、獲物を狩ることはできません。

肉食動物の視界

また、肉食動物の中でも瞳孔の形や大きさで、種類が分けられます。ネコやワニの瞳孔はタテにスリット状に長いですね。しかし、トラやライオンのような肉食獣の瞳をよく見ると、人間と同じように丸い瞳孔をしています。

▽ワニの目

▽トラの目

この違いは、行動時間によるものと、その動物の視線の高さ・獲物を捕らえる範囲によると言われています。ネコやキツネといった、小型の夜行性動物は、夜に狩りをすることが多いです。デリケートな網膜を守るために、目に飛び込む光の量を絞っているという説があります。

また、小型であることから、低い姿勢から高いところまでを狙わなければならないため、タテに瞳孔が長いのだという説もあります。つまり、はっきりと見える視野を確保するためです。草むらなどのタテ長の障害があるところに潜むことが多いため、生きていくためには細くて長い瞳孔が有利ですね。

このように、肉食動物たちは、獲物を狙って狩るために、目が正面についているのです。

草食動物の視界

草食動物は、顔の横に目がついていることが多いです。肉食動物に狙われ、食べられてしまわないように、広い視野を持つ必要があるためです。

草食動物の視界

例えばウサギは、片方の目だけで170°あまりも見ることができます。左右合わせて340℃と少しですね。それから両目で前方を10°、後方は9°、合計すると360°ほぼすべてを見渡せる計算になります。

広い単眼視野で外敵から身を守る代わりに、獲物を狙うための両眼視野は狭くなっていますが、外敵から身を守る方が優先のため、このように発達したと言われています。

▽ウサギの目

また、肉食動物と同様に、瞳孔の形が丸ではない動物もいます。しかし肉食動物と違いタテの長いのではなく、ヨコ長です。ウマやヒツジ、ヤギなどが該当します。

これは、広い視野を活用するために発達したと言われています。さらに、下を向いて草を食べる時でさえも、眼球がぐるりと回転し、瞳孔のヨコ型スリットの位置を保てるようになっています。

▽ヤギの目

このように、肉食動物・草食動物ともに、生きていくために適した目に進化したのだということが分かります。

肉食動物と草食動物の視界の違いまとめ

肉食動物と草食動物の視界について、違いを比較しながらまとめてみましょう。

種別 肉食動物 草食動物
目の位置 顔の正面 顔の左右
両目視野 広い 狭い
単元視野 狭い 広い
後方 見えない 見える
瞳孔 縦長のものもいる 横長のものもいる

まとめ

肉食動物は獲物を確実に狩るために、顔の正面にある両目で標的物を立体的にとらえています。一方、草食動物は外敵から身を守るために、周囲をすべて見渡せるように目が発達しています。

このようにそれぞれが、生きていくために適した視界を持つために体を発達させた結果、異なる目の位置を持つようになったのです。今後、テレビや動物園などで動物たちを見る時に目の位置を少し意識して見てみると、どんな風に世界を見ているのかな、と考えることができるかもしれませんね。