目のコラム

老眼治療(レーシック)とは?【治療内容、価格、メリット・デメリット】

誰にでも起こる老化現象のひとつに「老眼」があります。一般的には40代から症状が出始め、年齢と共に進行していきます。「老眼」と聞くと、近くの物が見えにくいという症状をすぐに思い浮かべますが、それ以外にもいろいろな症状があります。

  • 目が疲れやすくなったり、かすむようになった。
  • 頭痛、肩こりなどが以前よりひどくなった。
  • 細かい文字が読みづらくなった。
  • 薄暗いところが見えにくくなった。
  • 遠くから近く、近くから遠くへ視線を移すと、ぼんやりしてピントが合うのに時間がかかる。

このような症状が40歳を過ぎて毎日の生活の中で感じられるようになったら、「老眼」の始まりかもしれません。この記事では、レーシックをはじめとした老眼治療の対策法を4つご紹介します。

老眼とは?

ものを見るとき私たちの目は、近くのものや遠くのものにピントを合わせるために、目の中の水晶体(カメラのレンズの役割をするもの)の厚みを調節して見ています。水晶体の周りにあって支えている目の筋肉が毛様体筋です。毛様体筋は遠くを見るときにはゆるんで水晶体は薄くなります。反対に近くを見るときには縮んで水晶体を厚くします。水晶体を厚くして網膜にピントを合わせることで、近くの物が見えています。

しかし、加齢とともに毛様体筋の衰えや水晶体が硬くなってくることで厚くすることができなくなり、徐々に近くのものを見たときに網膜にピントを合わせられなくなってきます。これが「老眼」です。

老眼の仕組み

老眼治療の種類

老眼は近くの物が見えづらいというだけではなく、そのままにしていると眼精疲労や頭痛、肩こりの原因にもなるので、老眼は病気ではありませんが軽視せずに自分に合った適切な処置をすることが大切です。

もっとも一般的なのは老眼鏡やコンタクトレンズで矯正するものですが、老眼そのものを治療する方法もあります。現在日本で行われている老眼治療はほとんどが自由診療(厚生労働省が承認していない治療や薬を使う診療で、健康保険が適用されず治療費の全額が自己負担となります)ですがその中のいくつかをご紹介します。

プレスビーマックス(遠近両用レーシック)

治療内容

目に入ってくる光の焦点が合うように、角膜を遠近両用のコンタクトレンズのように削る最新の老眼治療です。遠近両用ソフトコンタクトレンズのように角膜の中心を近距離、その周りを中距離に、さらにその外側を遠距離が見えるように変化させます。今までの遠近に加え、中距離にも対応できるようになったという治療法です。角膜を削るレーシック手術なので、基本的には一度手術を受けると元に戻すことはできません。

どんな人におすすめなのか

  • 40代~60代で強い近視や乱視のない人
  • 老眼で眼鏡やコンタクトレンズを使用したくない人

治療するための価格

40万円前後

プレスビーマックス(遠近両用レーシック)のメリット・デメリット

角膜を遠近両用のコンタクトレンズ状にするものなので、基本的には遠近両用のコンタクトレンズと同様の見え方となりますが、日々の手入れやレンズを装着している煩わしさなく裸眼で過ごせます。また、レーシックの場合は術後の視力の回復が早いというメリットもあります。

しかし、コントラスト(濃淡)感度の低下、夜間のハロ・グレア(光を見ると輪がかかったように滲んで見えたり、花火のように輝いて見える現象)があります。これは個人差があり、術後の時間の経過とともに気にならなくなる人もいますが、夜間の運転などに注意が必要になる場合もあります。また、これも個人差がありますがレーシック手術の場合ドライアイや不正乱視が起こることがあります。

モノビジョンレーシック

治療内容

片方の眼を遠方に、もう片方の眼を近方にピントが合うようにレーシックで矯正し(通常は効き目の方を遠方にする)、両眼で見たときに左右の見え方の違う情報を脳が切り替えて、遠くも近くもどちらも見えるようにするものです。レーシックで矯正するものなので術後、元に戻すことはできません。

どんな人におすすめなのか

  • 近視・遠視の方で、更に老眼の症状がある人
  • 眼鏡やコンタクトレンズを使用したくない人

治療するための価格

40万円前後

ノビジョンレーシックのメリット・デメリット

近視・遠視を同時に治療することができます。遠くの視力が下がることがありますが、ほぼ眼鏡を使用せずに日常生活を送れるようになります。事前にコンタクトレンズを用いてシミュレーションすることができますが、実際に脳がモノビジョンの状態に適応するまでには、1~3か月程度かかります。視力に左右差があるために眼精疲労が出る場合があります。長時間の運転やパソコン作業、読書や細かい作業など目に負担の大きい作業をする方には適さないこともあります。レーシックなのでドライアイの症状や夜間の視力の低下、角膜の混濁などが生じる場合があります。

リーディングアイ(アキュフォーカス)

治療内容

小さな穴の開いたドーナツ状の黒いリング(カムラインレー)を片方の目の角膜に埋め込みます。小さな穴から集約されて細く光が入ってくると、はっきりと見える範囲が広くなるピンホール効果で近くの物がより見えやすくなる治療法です。

どんな人におすすめなのか

  • 40歳以上で目の疾患(白内障や緑内障など)のない人
  • 強度の近視や乱視でレーシックでの矯正が難しい人

治療するための価格

20万円前後

リーディングアイ(アキュフォーカス)のメリット・デメリット

リングは片方の目にしか入れない(挿入しない目で遠くを見る)ので、他の老眼治療で起こりやすい遠方の視力の低下は少ないが、黒目の上にリングを挿入するので若干視界が暗くなり、暗いところでは少し視力が落ちたり、コントラストがやや低下します。また、適応するまでに時間がかかることがあります。

多焦点眼内レンズ

治療内容

加齢に伴って発症する目の疾病に「白内障」があります。早い人では40代から、80代ではほとんどの人が何かしらの白内障の症状があるといわれています。「白内障」が進行すると水晶体(目のレンズの役割)が濁って、白っぽくかすんだり、まぶしく見えるようになります。

さらに水晶体の濁りが進行して視力が低下した場合には水晶体を取り除き、眼内レンズを挿入する手術を行います。そのときに多焦点眼内レンズ(遠く・近く・中間など複数に焦点が合うレンズ)を挿入することで老眼にも対応する治療法です。

どんな人におすすめなのか

白内障の方で老眼の治療も同時におこないたい人

治療するための価格

90万円前後

多焦点眼内レンズのメリット・デメリット

多焦点眼内レンズはとても高額ですが、白内障と老眼の治療が同時にできます。また、遠距離・近距離など複数の焦点を持っているため、個人差はありますが慣れるのに数か月ほどかかりますが、慣れるとほぼ眼鏡なしで日常生活を送れるようになります。

単焦眼内レンズと比べると夜間ライトなどをまぶしく感じること(ハロ・グレア)や、まれに焦点が合わない(近視・遠視になる)ことがあり、再手術が必要な場合があります。

おわりに

40代から始まり60代くらいまで徐々に進行する老眼は、老化を認めたくないという気持ちと同時に日々の生活での不便さに直面し不快に感じる方がほとんどではないでしょうか。眼鏡やコンタクトレンズでの矯正は煩わしく、老眼が治療できることは多くの人の願いでしょう。

現在老眼治療は、海外では認可されているものもありますが、日本国内では自由診療となっています。唯一先進医療として認められているものは「多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術」ですが、これも白内障治療に付随して行う老眼治療で、国内承認の眼内レンズを使用した場合のみです。

現在老眼治療はご紹介した他にもいくつかの治療法がありますが、いずれも医師や医療メーカーが研究を進めている分野です。興味のある方は、各治療の方法や問題点などをよく理解し納得した上で検討されることをお勧めします。