目のコラム

見る、観る、視る、診る、看る…「みる」の漢字の使い分けできてますか?

日本語には同音異義語、つまり同じ音なのに意味が異なる言葉がたくさんあります。「みる」という言葉もそのひとつで、それぞれ意味が違う「みる」が存在します。音としてはおなじなのになぜいろんな「みる」があるのか、理解できるまでは使い分けるのが難しいという人は多いのではないでしょうか。

「みる」という言葉は日常生活でもよく使うだけに、それぞれの意味は何か、どう使うのかをつかんでおくと、いざという時にとても便利です。そこで今回は「みる」という言葉について、いくつかあるそれぞれ意味と使い分ける際の考え方について紹介します。

日本語にはいろんな「みる」がある

音だけで「みる」と聞くとたったひとつの言葉に感じますが、漢字で表現する場合にはさまざまな「みる」があり、それぞれ意味や使い方が異なっています。どんな「みる」があるのかを順に見ていきましょう。

見る

人の目が映像として対象物をとらえたという意味で使います。視覚の作用によって視界に入ってきた対象物をとらえたという意味です。「先生を見る」「前方を見る」「飛んでいる鳥を見る」といった使い方をします。

また物事を判断する、調べるといった意味で使うこともあります。「手相を見る」「料理の味を見る」「彼女の出方を見る」といった使い方をします。

観る

意識して対象物を眺める、全体を見渡す、少し離れたところから見物するといった意味で使います。「舞台を観る」「サッカーの試合をテレビで観る」「遊園地でパレードを観る」といった使い方をします。

「見る」よりも、見ようとする意識がより強い場合に使うと考えると、それぞれの使い分けがしやすいでしょう。

視る

よく注意して調べる、視察するという意味を持ちます。「被災地を視る」「工場の設備を視る」「事故現場をくまなく視る」といった使い方をします。

ある部分を集中した状態で観察し、理解したいという意味合いをもつ場合に使います。

診る

診察する、体の状態を調べるといった意味で使います。「脈を診る」「手術後の経過を診る」「患者の顔色を診る」といった使い方をします。

主に、医師が患者に対して体調や病気の経過などを診察する際に、患者の様子を伺う動作を表す言葉として使われています。

看る

世話をする、監護するといった意味で使います。「病気の母親を看る」「けがをした子どもの様子を看る」「老後の面倒を看る」といった使い方をします。

病気やけがなどの状態が今以上悪くならないようにサポートしたり、ある人がより快適に生活しやすいよう物理的・精神的に支えるという意味合いで使います。

「見る」と「観る」の違い

これらのうち、もっとも使い分けが難しいのが「見る」と「観る」でしょう。どちらも視覚に入った対象物をとらえているという点では同じなので、たとえば「テレビをみるという場合はどちらを使うのが正解なの?」と迷うようなケースは多いと思われます。

実は、それぞれの言葉の意味をつかんでおけば使い分けは簡単です。
この2つの「みる」を使い分ける時の判断ポイントは、対象物に対して自分が意識的に見ようとしているのか、それとも視界に飛び込んできただけなのかという違いです。

ゆっくりくつろぎながらテレビの画面に視線を送っているだけなら「テレビを見る」となります。対して好きな映画や楽しみにしていたスポーツの試合の放送をみるのであれば、「テレビを観る」となります。

「花をみる」という場合でも考えてみましょう。
歩いていてふと道端に咲いている花が視界に入ってきたことを認識した時は「花を見る」と表現します。対してきれいに植えられた花壇の花に興味を持って、じっくり細部まで観察する時は「花を観る」となります。

耳で聞く分にはどちらの漢字の「みる」であっても音節的には同じですね。使い分けを行う時というのは、文字で表現する場合です。

文章で人の感情を表す時、その情景を読む人に伝える方法は文字しかありません。文字で表現するには漢字に意味を込めるのがもっとも早く、確実な方法です。
登場人物の気持ちや立場、話の流れからの状況といった繊細な部分を読む人に作者として伝え、想像してもらうために、伝えたい意味を表す漢字を用いて使い分けるのです。

日本語は世界中の言語の中でも特に繊細で難しい言語だと言われますが、こうした感情の機微やこまやかな情景の変化を伝える時、同じ音ながらも確実にある微妙なニュアンスの違いを漢字で使い分けることができる言語です。

考えてみればとてもユニークな言語と言えるでしょう。

まとめ

音としては同じであってもいろんな意味を持つ「みる」という言葉。それぞれの意味の違いや使い分けの方法が分かると、日常的に使っている言葉でありながら奥深さを感じますね。

覚えるまでは少し難しいかもしれませんが、知っておくと一目置かれるかもしれません。日本語の持つこまやかなニュアンスの違いを楽しみながら使っていきたいですね。

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