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アレルギー性結膜炎とは?種類・症状・原因・予防策まで解説

昨今、アレルギーに悩まされている人が非常に多いです。アレルギーが起こる部分はさまざまですが、そのメカニズムは共通しており、外部からアレルギー物質が侵入することで起こる「免疫反応」のことを指します。

ウイルス感染とは異なり、本来無害である物質に、体が過剰に反応したものをアレルギーと呼ぶのです。そして、アレルギーを引き起こす物質をアレルゲンといいます。それではアレルギー反応が目に及ぼす代表的な疾患である、アレルギー性結膜炎について詳しく述べていきたいと思います。

アレルギー性結膜炎とは?

目が赤い男の子

アレルギー性結膜炎とは、何らかのアレルギー物質が上下の瞼の裏にある瞼結膜と白目の表面を覆っている半透明の球結膜の炎症を起こすことをいいます。アレルギーを起こす物質と、IgE抗体という免疫グロブリンが抗原抗体を起こして、15~20分で痒みや充血が出る即時型(1型)アレルギーです。

結膜は常に外部からの異物や刺激に晒されやすく、常に涙で保護されています。その為に花粉やハウスダストといったアレルギー物質が付着しやすく、アレルギーを起こしやすい組織となっています。

また、結膜にはアレルギー反応を起こしやすい免疫細胞が多くあり、血管が豊富にあることでアレルギー症状を起こしやすいのです。

アレルギー性結膜炎の種類

アレルギー性結膜炎は発症時期によって大きく二つに分けられます。

季節性アレルギー性結膜炎

花粉や黄砂などが原因で、特定の季節にのみアレルギー症状が現れます。ただし複数の花粉にアレルギーがある場合は、アレルギーの症状が重症度は違うものの複数の季節にまたがって起こります。

通年生アレルギー性結膜炎

ハウスダストやダニ、室内で飼っている動物によってアレルギーが出る場合、通年を通して症状が起こります。

アレルギー結膜炎の症状

症状1.痒みが強くなる

瞼や瞼の縁に特に痒みが強く現れ、掻けば掻くほど症状は強くなります。また掻きむしると痛みも出現することもあります。

症状2.目が充血する

瞼の裏が赤くなり、白目の部分に血管が走るような充血がおこります。目をこすることによって充血が酷くなってきます。

症状3.異物感、ゴロゴロ感が出る

アレルギー反応を起こすと、瞼の裏側の結膜に、ぶつぶつした盛り上がりができ、その盛り上がりが角膜(黒目)に当たってこすれ、ゴミが入ったような異物感が出現します。酷くなると黒目に傷を作ってしまいます。結膜がゼリー状に浮腫んで、瞼からはみ出してしまうこともあります。

症状4.涙が出る

アレルギー反応で起こる炎症の刺激によって涙が出てくることもよく見られます。

症状5.目やにが出る

流行性結膜炎のようにべたっとした黄色の張り付くような目やにではありませんが、透明なゼリー状の目やにが分泌されます。

アレルギー性結膜炎の原因

原因1.花粉

アレルギーの原因は花粉が大半を占めています。スギ(1~5月)やヒノキ(3~5月)、カモガヤ(5~7月)などのイネ科の  雑草、ヨモギ(7~11月)やブタクサ(5~7月)など様々な花粉が年中飛んでいます。どの花粉にアレルギーがあるかは、血液検査で容易に調べることができます。

原因2.ハウスダスト

チリやホコリ、ダニの死骸やカビといった、室内にどこにでもあるような物質もアレルギーの原因となります。

原因3.動物の毛

犬や猫などのペットの毛が目に触れることで強いアレルギー症状が起こることがあります。最初はアレルギーを起こさなくても、常に一緒にいることで発症することがあります。また、ネコの上皮(ふけ)などにアレルギー反応を起こす場合もあります。

原因4.コンタクトレンズの汚れ

手は想像以上に汚れています。汚れた手でコンタクトレンズを触ると、コンタクトレンズが汚染されます。またコンタクトを装用している状態で、飛散している花粉などがコンタクトレンズに付着し、汚染されます。

アレルギー性結膜炎の治療方法

アレルギー性結膜炎の治療は、薬物治療が中心となります。症状によって処方される薬は違います。

抗アレルギー点眼薬による治療

アレルギー性結膜炎と診断されると、まずは抗アレルギー点眼薬が処方されます。軽度~中等度までの症状であれば症状は軽減します。抗アレルギー点眼薬の中でも軽い症状に効果的なものや、強い症状に効果的なものもありますので医師に相談してください。

抗アレルギー剤の内服薬による治療

抗アレルギー点眼薬では効果が不十分な場合は抗アレルギー剤の内服薬が併用されます。抗アレルギー剤は眠気が出るものもありますので、内服してからの車の運転は控えましょう。

ステロイド点眼薬による治療

抗アレルギー剤で効果が不十分な場合はステロイド点眼薬が併用されます。ただしステロイド点眼薬は眼圧を上昇させることがあるので、長期の使用は好ましくありません。状態によって2週間以上点眼する場合は眼圧の測定を行う場合もあります。

眼軟膏による治療

ステロイド点眼薬が使用できない場合は、眼軟膏が使用されることがあります。また眼瞼の腫れやかぶれがある場合にも有効です。眼軟膏は目の周りだけでなく眼内にも使用できます。

アレルギー結膜炎の予防法

アレルギー性結膜炎の予防は、アレルゲンの除去が必要不可欠になってきます。ここからはアレルゲンの除去方法について詳しくご紹介します。

予防法1.室内ダニを除去する

掃除機の使用

掃除機は、吸込仕事率が200W以上のものが推奨されています。また、1㎡あたり20秒以上かけてゆっくりと吸引することでダニやチリなどのアレルゲンを吸引できます。吸込仕事率の低下が無いように、こまめに掃除機にたまっているゴミは処理しましょう。

空気清浄機の使用

ダニを除去する上で空気清浄機を使用することも有効です。ダニの死骸や排泄物は5μm以上なので、空気清浄機のフィルターで除去することが可能です。

布類を置かないようにする

ラグマットやソファーなど、布や毛足の中にダニやホコリがたまりやすいため、出来るだけ設置しないようにしましょう。どうしてもラグマットを敷いたりソファーを設置する場合はこまめに掃除機をかけ、埃がたまらない様にすることが大切です。

寝具も対策しよう

寝具類には多かれ少なかれダニが生息しているため、増殖を抑制しなければいけません。晴れた日に天日干しし、電気掃除機で吸い取ることで表面から内側のダニを除去することができます。

天日干しが困難な場合は、週に1回は表と裏から掃除機で吸い取ることが勧められています。

布団乾燥機はダニを殺すことはできてもアレルゲンの除去にはならないので、掃除機と併用するとよいでしょう。

予防法2.真菌の発生を抑制する

アレルギーを引き起こす真菌は、湿度を70%以下に保つことで増殖を抑えることができます。湿度の高い夏季は除湿を心がけるようにし、冬季は結露の防止のためにサッシや窓ガラスはまめにふき取るなどし、断熱材を使用するとよいでしょう。

予防法3.花粉対策用ゴーグルやメガネを装用する

結膜に付着する花粉の完全な防御はゴーグルが有効ですが、花粉対策用メガネでも花粉が目に飛び込んでくるのを防ぐことができます。

予防法4.コンタクトレンズの使用を中止する

花粉がコンタクトレンズに付着し、汚染されてしまうので、花粉アレルギーの方はコンタクトレンズを中止し、メガネに切り替えることでアレルギーの軽減につながります。

予防法5.人工涙液を使用した洗眼を行う

花粉などを洗い流すのには人工涙液を使用しましょう。1回数滴を出来るだけ頻回に点眼することが望ましいのですが、4回以上の点眼は、安全面から防腐剤の入っていない人工涙液を使用しましょう。水道水での洗眼は、涙の層が不安定になりやすいので、頻回に洗眼することは控えましょう。

カップ式の洗浄器具は、皮膚の周りに付着している花粉などを目に付着させてしまうため、アレルギー性結膜炎の場合は使用を控えましょう。

予防法6.着用する衣服を工夫する

花粉の付着を防ぐために、コートなどは表面がつるつるとした滑りの良いものが好ましく、ニットなどは避けましょう。また帽子やストールを着用し、玄関に入る前にコートやストール、帽子を脱ぎ、花粉をはらって室内に花粉が入り込まない工夫が必要です。

予防法7.家に帰ったら付着した花粉を取り除く

外出から帰ったら、手洗い、うがい、洗顔をし、花粉を取り除くことが花粉対策として有効です。

予防法8.ペットとの過ごし方を変える

飼育している動物によってアレルギーが出る場合は、完全に除去することは不可能ですが、なるべくペットの居る部屋に入らないようにしたり、触ったらすぐに手を洗うなどの対策が必要です。

毛や上皮の付着を避けるためにもゴーグルの装用が有効です。

まとめ

アレルギー性結膜炎は、人によってどの物質に対してアレルギーを引き起こすのか、様々です。

目は1型アレルギーであり、症状はアレルゲンの侵入から15~20分程度で発症します。予防で軽減できるものでもあるので、薬剤投与とともに、アレルゲンの除去が必須です。
症状が出てから、または重症化してから眼科受診をする方も多いのですが、予防としては花粉が飛散する約2週間前から症状が無くても、抗アレルギー剤の点眼や内服を行います。そうすることでピーク時の症状が出にくい、若しくは軽減されるのです。

検査でどの物質にアレルギーが出るのかを確定し、対策を行いましょう。