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まぶたのたるみは眼瞼下垂かも!?頭痛や疲れ目の原因に!

最終更新日:2018/06/28

眼瞼下垂という病気をご存知でしょうか?きっと自分とは無縁な病気だ、と思っている方も多いかもしれません。しかし、眼瞼下垂は誰にでも起こりうる病気の一つで、決して軽視できるものではありません。

このページでは、眼瞼下垂の原因や症状、治療方法などを詳しくご紹介していきます。

眼瞼下垂とは?

眼瞼下垂とは、上まぶたが下がってきて物を見るのに重要な黒目(瞳孔)にかかる病気です。まぶたは、眼瞼挙筋の働きによって上下します。

まぶたが上がらなくなると、以下のように見た目に変化が生じます。

  • 眠そうな感じ、目つきが悪く見える
  • まぶたを無理に上げようとして額にしわが入る
  • 眉山が上がり、眼瞼がつった感じになる

そして無理にまぶたを上げようとして、疲れ目になってしまうのです。

目だけでなく身体全体に影響が生じることも

また瞳孔にまぶたがかかることで視野が狭まり、日常生活に影響を及ぼすこともあります。

眼瞼挙筋のほかに、目を開ける筋肉があります。これをミュラー筋といい、交感神経に支配されています。交感神経を刺激し、ミュラー筋を動かすことで眼瞼下垂の人もなんとか目を開けることが出来るのですが、交感神経の刺激が続くことによって、不安神経症・睡眠障害・めまい・頭痛、だるさなどの症状が出現することもあるのです。

またミュラー筋が上眼瞼挙筋に引っ張られると、僧帽筋と呼ばれる、顎を上げる筋肉が収縮し、それに関連するうなじや額の筋肉が常に収縮することによって肩こりが起こります。

眼瞼下垂によって、目の症状だけでなく全身に影響を与えることにつながってしまうのです。

眼瞼下垂の原因

眼瞼下垂の原因は大きく二つあり、先天性眼瞼下垂と、後天性眼瞼下垂に分けられます。

先天性眼瞼下垂とは?

先天性眼瞼下垂とは、生まれつき上瞼が下がっている状態で、上眼瞼挙筋の発育不良で、単純性眼瞼下垂と呼ばれています。片側に起こることが多いのですが、両側に起こることもあります。上直筋という目を上に動かす筋肉の機能不全が併発していることもあります。

先天性の多くは眼瞼挙筋の発育不全ですが、この他に先天性動眼神経麻痺や、下がったまぶたの片側が、口を開くと上がる現象のマースガン現象など、神経の異常、重症性筋無力症などが原因です。

先天性眼瞼下垂は斜視や弱視を併発していることも少なくありません。

治療は手術になりますが、子供は顔面の発達と、正しい検査が出来る年齢以降が望ましく、3~4歳以降が一般的です。

また下垂の程度が重度の場合、視性刺激遮断が疑われる場合があります。その場合は早期の手術が必要になることもあり、2歳以下でも手術を行う場合もあります。

後天性眼瞼下垂とは?

後天性眼瞼下垂で最も多いのが、加齢性(老人性)眼瞼下垂です。その大部分が腱膜性眼瞼下垂症に相当するのです。

まぶたを上げる上眼挙筋は、眼球の上の奥から始まり、目の上を通ります。その途中で腱膜という薄い組織となり瞼板に付いています。腱膜が伸びたり緩んだりすると、まぶたが上がりにくくなります。瞼板の裏にはミュラー筋があり、瞼の開き具合を調節するセンサーの役割もしています。腱膜が瞼板から剥がれたり、伸びたりすると、上眼挙筋の収縮はミュラー筋を介し、瞼板に伝えられます。

病状が進んでいくと、ミュラー筋まで伸びてしまい、その結果、いつもまぶたが下がった状態になります。この状態を腱膜性眼瞼下垂症といいます。

腱膜と瞼板は非常にデリケートで、花粉症やアトピー性皮膚炎、逆まつげなどで目をよくこすったりすることで、若くても発症することがあります。

またアイメークをする人が、毎日こすることによって眼瞼下垂になりやすい傾向にあります。クレンジングをする際にごしごしとまぶたをこすることも眼瞼下垂を起こしやすくなります。コンタクトレンズの長期装用(特にハードコンタクトレンズ)によっても、眼瞼下垂を発症することが確認されています。

そして、白内障手術などの目の手術をした際も、眼瞼下垂を起こす原因となることがあります。

腱膜性眼瞼下垂では、眉の位置が上がったり額のしわが深くなる他に、三白眼や目の下がくぼむ、二重の幅が広くなる、左右で目の大きさが違うといった症状があります。

また、物を見ようとして顎を上げたり、頭を回転させたりといった行動がみられ、まぶたが下がっていることで信号が見にくく、運転に支障が出てきます。

後天性眼瞼下垂には、腱膜性眼瞼下垂のほか、眼球運動を司る脳神経の麻痺(動眼神経麻痺)や、徐々に進行する外眼筋の麻痺(慢性進行性外眼筋麻痺)、全身の筋力が麻痺する疾患(重症性筋無力症)、顎を動かすと上瞼がぴくぴくと動く現象(マースガン現象)によって眼瞼下垂となることもあります。

注意すべきことは、一見眼瞼下垂に見えても、実はそうでない疾患もあり、慎重に区別する必要があります。眼瞼の皮膚だけがゆるんで起こる眼瞼皮膚弛緩症、額の皮膚や筋肉の弛緩で眉毛が下がり、眼瞼が下がる眉毛下垂といった偽眼瞼下垂は眼瞼下垂とは異なるため、専門医の診断が必要となります。

眼瞼下垂の診断

正面を向いてリラックスした状態で、黒目の中心からまぶたの縁までが2㎜以上近づいていることや、眉毛の上を手のひらで抑えて眉毛が動かないようにし、目が開けられるかどうかで診断します。また、ネオシネジンといった点眼薬を点眼し、一時的にまぶたが上がるかどうかも診断基準になります。

急激に眼瞼下垂が起こった場合は神経や頭部などの、他の病気の可能性もあるために血液検査やMRIといった検査が必要になることもあります。その際は専門医による診断となるため、眼科から紹介状をもらい、専門機関を受診するようにしましょう。自己判断で、ただの眼瞼下垂だ、と思い、受診を先延ばししたり、放置するのは非常に危険なことなのです。

眼瞼下垂の手術方法

眼瞼下垂の手術はいくつかあり、症状によって変わってきます。

皮膚切開

上まぶたの皮膚だけがたるんでいる場合は皮膚のたるみを切り取る手術となります。皮膚を切り取る場所は2通りあり、眉毛の下を切開する方法と、まぶたを切開する方法があります。

挙筋腱膜タッキング

皮膚切開についで簡単な術式で、瞼板の上に腱膜がついている状態で、目の奥から手前に向けて手繰り寄せて固定する方法です。

挙筋腱膜前転法

瞼板から腱膜を剥離し、さらに腱膜と瞼板を剥離します。腱膜だけを前転させ、ミュラー筋はそのままにして、前転させた腱膜を瞼板に固定します。この方法は重度の症状には適応しない場合があります。

ミュラー筋タッキング

国内で広く行われている術式で、挙筋腱膜とミュラー筋を剥離し、ミュラー筋だけを手繰り寄せて瞼板に固定する方法です。眼瞼下垂の程度が、軽度から中等度までの適応となります。

挙筋短縮術

挙筋腱膜とミュラー筋を結膜より剥離させ、一緒に瞼板に固定します。重度の下垂に適応となり、ミュラー筋を結膜から剥離させることによってほかの術式より時間がかかり、術後侵襲も比較的高い手術となります。

前頭筋つり上げ術

挙筋機能がない場合で、挙筋短縮術が無効な場合の方法です。前頭筋(額の筋肉)と、まぶたの瞼板をつり上げ材料で連結します。軽く目を開けた状態、眉毛を上げ、大きく目を開けた状態、目を閉じた状態を確認しながら幅を調整し、固定します。

以上、手術についてご紹介しましたが、手術を行うということは、合併症の可能性もあるという事も覚えておきましょう。主な合併症は以下になります。

主な合併症

再発

術後状態が良かった場合でも、皮膚のたるみや筋のゆるみの進行で、眼瞼下垂が再発することがあります。

矯正の不足や過剰な矯正

術後は侵襲があり、直後の状態は良くても腫れが引いたり、落ち着いた状態の時に矯正が不足していてまぶたがやや下がっていたり、逆に上がりすぎていることがあります。

左右差

左右同時に手術をした場合や、片方ずつ手術をする場合がありますが、いずれにしても左右差が現れることがあります。
  

閉眼障害

過矯正により閉眼障害が起こることがあります。閉眼障害は、徐々に落ち着いてきてまぶたが若干下がってくると改善することもあります。閉眼障害がる場合はドライアイになるので、ドライアイの治療も必要となります。

合併症が起こった場合は再手術の可能性もありますので、定期検診は必ず受けるようにし、術後の管理を行ってもらいましょう。また不安に思った場合は手術を受けた医療機関にご相談下さい。

眼瞼下垂の手術は何科で行う?

眼瞼下垂の手術は眼科で行う場合と、形成外科で行う場合があります。皮膚切開は眼科、筋肉を触る場合は形成外科と分けている機関もありますし、どちらも眼科で行っている場合もありますので、手術を検討されている医療機関でご相談すると良いでしょう。

眼瞼下垂の治療は保険が適応される?

まず、眼瞼下垂の手術を行っている機関が保険診療を行っているかどうかによって変わってきます。

眼科で手術を行う場合は、殆どが保険診療を行っているので問題はないのですが、形成外科となると、美容整形では保険診療を行っていない機関も多数ありますので、症状にかかわらず自費診療となる場合がありますから、事前に確認することをお勧めします。

では、保険診療を行っている機関であれば、すべて保険適応かといえば、そうではありません。

瞳孔にまぶたがかかっていること、視野が狭まって運転に支障をきたすなど、日常生活が困難となる病的な眼瞼下垂である場合は保険適応となることが多いです。

しかしここでも医師の判断に委ねられるため、Aクリニックでは保険適応だけれども、Bクリニックでは保険適応外、といったこともあり得ます。保険適応外と診断された場合は、他の眼科で再度診断を受けても良いでしょう。

そして一番重要なポイントは、腱膜性眼瞼下垂と診断が下りるか、ということです。腱膜性眼瞼下垂は腱膜の病気と判断されるため、保険適応となります。眼瞼下垂の手術を行う事により、機能改善となるかどうかが重要となってきます。

また腱膜性眼瞼下垂の診断基準として、自覚症状もあげられるので、肩こりや目の疲れ、目の奥の痛み、歯が浮くなどの症状があれば診察の際に伝えることも重要なのです。

しかしながら、保険適応となる場合でも、ご本人の意思により自費診療となる場合があります。眼瞼下垂の手術をして、目を大きくしたいとか、二重のバランスを綺麗にしたいとか、美しい仕上がりを求める場合は、美容整形での手術を勧められることもあります。

ただし病院や医師によって差があり、その見た目に対しての配慮をしてくれる医療機関もありますので、ご自身が納得のいく機関での手術が望ましいでしょう。

まとめ

眼瞼下垂といっても様々な原因で起こることがわかったと思います。

視界の狭まりだけにとどまらず、心身ともに不調をきたす要因になることもご紹介しました。眼瞼下垂は進行すると日常生活に支障をきたす病気です。早めの受診と治療が必要な病気でもあります。

進行がどの程度なのか、セルフチェックを行う事も重要であり、眼瞼下垂と診断を受け、手術適応になった際は、術後どうなりたいかをはっきりと意思表示することも重要です。
「ただ視界が広くなってくれたら良い。」のか、「見た目も重要だから、綺麗に手術してもらいたい。」のかによって、受診する医療機関も変わってきます。

保険診療であれば、料金の差はあまりありませんが、自由診療になると、その料金は医療機関によって大幅に変わってくるので、相談する医療機関は1か所にとどめず、セカンドオピニオンも考慮したほうが良いともいえます。なにより眼瞼下垂を解消し、視野を広げて、生活範囲も広げて生き生きとした日常を送りましょう。

ライタープロフィール

rokuと申します。難しいことを丁寧に説明することを心がけます。
   

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