コンタクトのコラム

ハードコンタクトに向いてる人、向かない人【メリット・デメリット比較】

初めてコンタクトを利用する際、「ハードとソフトはどちらが良いですか?」と聞かれることがあります。眼科医はハードを勧めることが多いようですが、ハードコンタクトレンズにはどのような特徴があるのでしょうか?向いている人やデメリットも詳しく紹介します。

ハードコンタクトとは?

ハードコンタクトレンズは黒目よりも小さく、硬い材質のレンズで、素材はシリコンやアクリル系、プラスチックなどです。またレンズ自体はほとんど水分を含んでいないため、専用の保存液だけでなく水道水で洗っても大丈夫です。

ハードコンタクトのメリット

多くの眼科医はハードコンタクトの使用を勧めています。筆者もハードコンタクト利用者なのですが、以前ソフトコンタクトに切り替えたいと相談した時に、ハードコンタクトの使用継続を強く勧められたことがあります。ではハードコンタクトにはどのようなメリットがあるのでしょうか?

メリット1「酸素供給量が多くて目に優しい」

コンタクトのCMでは「目に優しい」という言葉を聞いたことがあると思います。しかし実際に目に優しいというのがどういうことなのかは、あまり知られていません。目に優しいコンタクトとは目(特に角膜)への酸素供給量が多いコンタクトのことです。酸素の供給量が少ないと目の疲れや充血につながります。

ハードコンタクトはレンズが小さいので空気中の酸素が直接目に届きやすくなっています。また、まばたきする度にレンズが良く動き、目とレンズの間の涙液が交換されて目に酸素が届きます。そして近年のハードレンズのほとんどが酸素透過性ハードコンタクトレンズと呼ばれるもので、素材自体が酸素を通すようにできています。

メリット2「乱視矯正に力を発揮」

意外に悩んでいる人が多い乱視ですが、ハードコンタクトの硬さが矯正に力を発揮します。

乱視とは、眼球が正しい球面をしていないために、光線が網膜の一点に集まらず物の形をぼやけさせてしまう現象です。

ハードコンタクトは硬さがあるので眼球にぴったりとは沿わず、レンズそのもの球面を保つことができるので、光の屈折を調節することができます。そのため乱視が強く眼鏡やソフトコンタクトでは矯正が難しい人でもハードコンタクトなら矯正が可能なのです。

メリット3「目の異常に気付きやすい」

生活する中で、目には様々な異常が起こります。特に問題になるのが目にゴミが入ったり、傷ができたりしてしまうことです。

ハードコンタクトは目に異物感を感じやすいです。慣れてしまえば日常生活に支障は来たしませんが、ゴミが入ったり傷ができると痛みを感じやすく、すぐにコンタクトを外したくなります。もし目にゴミが入っても痛みを感じず、ただ不快感を感じるとコンタクトを装着した状態でも目を擦ってしまいがちなので、擦ったために角膜に大きな傷を作ってしまうこともあります。角膜を健康に保つためには異物感を感じることは重要なのです。

ハードコンタクトのデメリット

ハードコンタクトには様々なメリットがあるのに、ほとんどのコンタクト利用者がソフトコンタクトを選択しているというのは紛れもない事実です。ではハードコンタクトのデメリットにはどんなものがあるのでしょうか?

デメリット1「慣れるまで異物感がある」

メリット3と相反する部分がありますが、ハードコンタクトの異物感はとても大きいです。レンズが目に入っていることに慣れるまで早い人でも4〜5日、長いと2週間程度要します。特に今までソフトコンタクトを使っていた人がハードに切り替えようとすると異物感に相当悩むと言われています。目の異物感、ゴロゴロした感じは集中力を削ぎますし、人によっては頭痛などの別の痛みを引き起こすこともあります。

デメリット2「激しいスポーツには向かない」

ハードコンタクトはレンズ自体が小さいので基本的にはまぶたとレンズは触れ合っておらず、レンズが目に張り付いているような状態で使用しています。そのため激しいスポーツをしたり、体に強い衝撃を受けるとレンズがズレたり、目から外れ落ちてしまうこともあります。スポーツ中にレンズが外れてしまうと、一旦運動から離れなければならないので激しいスポーツには向かないのです。

デメリット3「使い捨てはできない」

ハードコンタクトのレンズの寿命は2〜3年ほどと言われており、一枚のものを長期にわたって使用すること前提で作られています。長期で使えばコストパフォーマンスは良いのですが、一枚の値段は1万円ほどします。

ですので落としてレンズの表面に傷を作ったりしないよう扱いには注意をしなくてはなりません。

また2週間使い捨てのレンズなどは寿命前に破損してしまった場合「もったいないけれど新しいのを出そう」ということになりますが、ハードコンタクトを破損した場合はスペアのレンズを持っていることは少ないですし、そもそも1枚の値段が高いために長期で使用しないとコストパフォーマンスがかなり悪くなってしまいます。

ハードコンタクトに向いてる人、向かない人

向いている人

ハードコンタクトの利用を一番オススメしたい人は何と言っても乱視に困っている人です。乱視矯正ができるソフトコンタクトもありますが、乱視との相性はハードの方が断然良く、また乱視用ソフトコンタクトでは矯正できないレベルの強い乱視でもハードなら矯正可能であることが多いです。小さな数字やアルファベットが見えにくいという人は一度ハードの使用を検討してみてください。

また中学生などでコンタクトデビューを考えている人にはハードをオススメしますが、理由は二つあります。

一つ目はデビューの時はソフトでもハードでも違和感を覚えるのでハードを選択することに抵抗がない場合が多いためです。前述した通りソフトからハードの切り替えは大変難しいので始めからハードを使うのがオススメです。

二つ目は中学生程度であると健康管理に保護者が関わらなければならないこともあるためです。例えばコンタクト着用時に目を擦って傷になってしまった場合、中学生程度では受診すべきかの判断が難しいこともあります。また自分がやりたいことに時間を割きがちで眼科を受診するのは面倒だから行かないという例も多くみられます。しかし、目に傷ができた状態でハードコンタクトを着用すると大変痛むので、保護者が受診すべきという判断を下しやすいのです。

他にも日々のケアが得意でない人はハードコンタクトの方が向いています。ソフトコンタクトでは毎日こすり洗い等のケアをしなければなりませんが、ハードコンタクトの場合はこすり洗いは週1回程度で良く、日々のケアはつけ置き保存です。またケアに水道水が利用できるのも魅力で、ホコリがついて洗いたいと思った場合にはどこでも洗浄が可能です。

目が乾きやすいためにソフトコンタクトからハードに切り替えた人もいます。ソフトコンタクトは多くの水分が必要なのでドライアイの人には向きません。また長時間コンタクトを着用している人はソフトだと角膜が酸素不足になりやすくトラブルの元になるので、ハードコンタクトを選んでいる人もいます。

向かない人

ハードコンタクトは使用前に慣れるための訓練が必要です。方法は1日に数時間の装着から始め、徐々に装着時間を長くするというものですが、慣れるまではその数時間がとても苦痛に感じることもあるでしょう。重要なテストが近い、仕事があるなど長時間集中力を欠いたままではいられない人には向きません。

また中にはどんなに訓練しても慣れることがないという人も一定数います。装着すると痛みがあり目が開けられない、涙が止まらないという人です。どんなに目に優しくてもそのような状態では使うことはできません。割り切ってソフトコンタクトを使用するようにしましょう。

また激しく動くスポーツをする人にはハードコンタクトは向きません。しかし、普段はハードコンタクトを利用し、スポーツ時だけは使い捨てのコンタクトを利用するという方法を選択している人もいます。TPOによって使い分けることでデメリットを補えるようにしているのです。

ハードコンタクトの口コミ

まとめ

ハードコンタクトは慣れるまで装着時の違和感が大きいという大変なデメリットがありますが、目への負担の少なさや日々のケアなどのメリットもあります。

また乱視が強く困っている人は、かなりの時間をかけてでも目を慣れさせてハードコンタクトで矯正している人も多くいるのです。

眼科医としてはトラブルの少ないハードコンタクトをオススメしたいということもあるので、自分の使用方法にハードコンタクトは適すのかという点をしっかりと検討してみるのが良いでしょう。