目のコラム

【眼科医と検眼医】アメリカにいる2種類の眼医者さんの違いって?

あなたはコンタクトやメガネを作りたいと思ったとき、「何科」にかかりますか?日本ではまず”眼科”にて適正検査を受けるのが正しい手順です。視力だけに留まらず、目に異常がないか、視力低下の原因についてを探ってくれるので、大きな病気を見逃すことがありません。

日本国内にいる限りは目に関することは「とりあえず眼科」で事足りますが、海外では日本の医療の常識が通用しないことが多々あります。今回の記事では海外でも特に変わっている、「アメリカ」の眼科事情に密着しました!

いざというときに困らないよう、アメリカの眼科のユニークな形態を知っておきましょう。

アメリカでは眼科医と検眼医が別にいる

アメリカでは目に関わる医師が、「眼科医(オフサモロジスト/Ophthalmologist)」と「検眼医(オプトメトリスト/Optometrist)」の二種類に分けられます。どちらも一見同じような名称に思えますが、実際に行っている医療行為は全く異なるものです。

眼科医は緑内障や白内障、アレルギー性結膜疾患といった結膜の病気から、テレビやパソコンの画面の見すぎによるドライアイまで幅広く診察、治療をおこなってくれます。そのため、アメリカ人の9割以上が診察してもらうのは、検眼医ではなく眼科医。

日本で眼科医を目指す場合は、医学部に通いながら医師免許を取得し、最短8年間で眼科医になることが出来ます。しかしアメリカの場合は、医療大学を卒業した後、さらに8年~10年も厳しい訓練を受けなければなりません。

眼科医と比べて比較的条件が緩やかなのが、検眼医です。4年間大学で医療を学んだあとは、検眼の学校にて4年間のプログラムを終えるだけで、実際の医療に従事してもいいことになっています。

では一体検眼医はなにをするのかというと、名前の通り視力検査を通して検眼をおこないます。検眼医は眼科医と比べて資格の取得が容易ですが、薬の処方や目への治療行為をおこなうことができません。

日本では視力検査は簡易的なイメージがあるので、視力検査のプロフェッショナルに関していまいちピンと来ない人も多いかもしれません。しかし、アメリカでは眼科医と検眼医は似て非なるもの。眼科内では、どちらの存在も必須なのです。

アメリカでメガネを作る方法

さて、もしあなたがアメリカでメガネを作ろうと思い立ったとき、どのような行動をとるのが正しいのでしょうか?国内であればメガネを販売するメーカーに直接赴くだけですぐ作ってもらえるメガネも、アメリカではそうはいきません。

まずは眼科を受診し、診察を受けた末に必ず「処方箋」を出してもらう必要があります。診察や視力検査を行ってもらったあと、問題がなければメガネ用を購入するための処方箋がもらえます。

メガネの処方箋は有効期限が12ヶ月と定められているので、期限が切れない内に、忘れないよう処方箋を持ってメガネショップに行ってください。

メガネのブランドやメーカーにこだわりがなければ、眼科と隣接して設営されているメガネ売り場で購入してもOKです。検眼医がフレームが頬などに当たってしまっていないか、鼻筋にしっかりとマッチしていて使いやすいかなども一緒に見てもらうことができます。
処方箋をメガネショップに持っていった場合、合わせてもらえるのはメガネの「レンズ」の部分のみなので、フレームの細部まで自身にフィットさせたいならば、眼科内での購入を断然おすすめします。

ちなみにアメリカには眼科保険というものが存在します。医療保険とは別の保険の扱いとなるため注意が必要ですが、加入していれば眼科検診を毎年受けれるようになります。加入している保険の内容によってはメガネ作成にかかった費用も保険金として出るので、視力が悪い人などは眼科保険の加入も検討してみてください。

検眼医の仕事内容は?

実際のところ、検眼医はどのような仕事をおこなっているのでしょうか?先ほど説明した視力検査を始めとして、患者に最適なメガネの度数を見定めるために、最先端の医療機器を使ってさまざまな検眼を行います。

その過程で目に異常が見つかった、視力が極端に低いなどの問題が発覚すれば、検眼医から眼科医にバトンタッチします。あくまで検眼医がおこなうのは、一般的に検眼のみです。

ちなみにアメリカの視力検査は日本のように食べかけのドーナツのような形ではなく、aやbなどのアルファベットを並べるのが一般的です。大体の形状である程度のレベルまでは判断がついてしまうこともあるので、日本人からすると斬新かもしれません。

視力検査の他にも、弱視や斜視の患者に対してビジョンケアと呼ばれるトレーニングを行うこともあります。視力の問題だけでなく、視覚が脳にもたらす効果全般をコントロールしながら、「物体や人物などを正しく見るようにする」ための改善に取り組みます。

見る力を養うことに特化したトレーニングで、日本の弱視や斜視の患者におこなうトレーニング内容とは異なります。子どもや赤ちゃんの目の治療のために、日本から渡米して検眼医を頼る人も多くいるほど、世界的に優れたトレーニングとされています。

近年は眼病治療のライセンスさえ取得すれば、結膜炎などの簡易の治療が認められるようになっているのですが、実際に眼病治療のライセンスを履行しての治療をおこなう検眼医はほとんどいないのが現状です。

日本の眼科制度ってどうなの?

日本では看護婦やメガネ店のスタッフが行っている視力検査。視力検査しか出来ない検眼医と聞くとなんだか頼りなく思えますが、実はアメリカではスペシャリスト扱いで高収入なんです。(Americaの求人サイトGlassdoorによると、年間$130,729、日本円で1400万円の年収だそうです…!)

検眼医は医科大学で検眼科学を習得し、国家資格を得た人のみが検眼医として視力矯正に携わっていいという、厳しい条件のもと患者の視力を測っています。

海外ではメガネやコンタクトは「視力矯正のための医療行為」と捉えられているため、日本のようにメガネショップ店員が気軽に視力検査を行うことは、れっきとした違法行為です。

アメリカのような検眼医は日本には存在しませんが、一番近い医療資格に「視能訓練士」と呼ばれる国家資格があります。単なる視力の判断だけでなく、眼圧や瞳孔、色覚や光覚などを総合的に検査する「視能検査」をおこなうことが出来る目のプロフェッショナルです。

誰でも気軽に、そして簡単にメガネやコンタクトが作れてしまう日本。メリットとデメリットが混在しますが、目を大切にしたい人は眼科を受診してからメガネを作るのをおすすめします。

40歳以上の20人に1人が緑内障を発症するとされているにも関わらず、日本では緑内障患者の全体のたった2割しか眼科を受診率がないのが現状です。視界が狭くなった気がすると思ったら、すぐにメガネショップでメガネを仕立ててもらわず、眼科の受診を検討してください。

まとめ

日本とアメリカの眼科の違いから、アメリカでのメガネの作り方までをまとめて紹介してきましたが、いかがでしたか。海外の医療に従事する人達の目、視力に関する意識の高さを、日本人も見習うべきかもしれませんね。

アメリカへの旅行や留学を考えている人は、眼科医の種類や役割を知っておけば、いざというときに戸惑うことがなくなるので覚えておきましょう。